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党内圧力?意気地なし? 民主「横粂の乱」一転終息

   「鳩山首相と小沢幹事長は辞任すべき」と、民主党内でひとり執行部批判の声をあげた新人の横粂勝仁議員が、何もすることなく早くも「降参」してしまったようだ。

   執行部刷新を直訴する機会として、2010年5月11日に開かれた民主党代議士会での発言が注目されていたが、ひと言もなかった。

地元事務所に賛否両論の声が殺到

横粂議員は意気地なしなのか?
横粂議員は意気地なしなのか?

   横粂氏は2010年5月6日に地元、神奈川県横須賀市などで行った街頭演説で、「民主党執行部の刷新を。総理、幹事長、現状の執行部の刷新を求めて生きたいと思っています」と、鳩山由紀夫首相と小沢一郎幹事長の退陣を求めた。

   また、自らのブログでは「民主党を想う」と題して、「民主党に対するご期待、政権交代に託された想いにお応えできないような現状であれば、私は声をあげる覚悟です」と意気込んでいた。

   「政治とカネ」や沖縄・普天間基地の移設問題によって、民主党の支持率が大きく落ち込んでいる中で、民主党内にも執行部に対する不信は少なからずあるはずだが、それを声にする議員は見当たらない。

   そんな中での新人議員の執行部批判は、良くも悪くも国民には響いていた。「よく言った!」「応援したい!」との賞賛とともに、「おまえが民主党を辞めろ」「新人議員が執行部批判など、なにを言っているんだ」など、横粂氏に批判的な声も少なくなかった。街頭演説後、地元事務所宛にこうした意見が殺到したとの情報もある。

   ところが、新人議員の「反乱」も1週間もたたずに沈静化。2010年5月11日に開かれた民主党代議士会では、ひと言の発言もなかった。横粂氏は「代議士会で真っ先に発言することが国民の声を届ける最もベストな方法だと。そのお約束と違えてしまったことは真摯に反省するところ。要求を伝えるため、しかるべき方法をとる」と弁明したが、周囲が発言を翻意するよう説得したとも伝えられ、「(鳩山首相と小沢幹事長の)お二人に対して厳しい批判があり、そこを抜きにして党の再生はできない」と、あらためて見解を示したのが精一杯だった。

横粂議員「圧力はまったくなかった」?

   横粂氏は代議士会前日の10日のブログで、「私の言動に対して賛否両論あるのは覚悟の上、民主党執行部に対する恩義を忘れたのかというお叱りも覚悟の上、それでも民主党に期待して頂いた国民の皆様に対する恩義の方をより大切にしたい、そう愚直に想うのです」と、勇ましさをみせていた。

   その半面、「私の想いに何ら恥じるものはなくとも、言動のあり方に未熟さがあった事実は素直に反省しなければなりません。国民の皆様から頂いている想いを如何に届けるのか、しかし同時に政治家として社会人として不誠実なところはないのか、皆様からいただいたご意見に基づき考慮中です」と、すでにトーンダウンとも受けとれる発言もしていた。

   代議士会の終了後、記者団から「代議士会で発言しないよう、圧力があったのか」と聞かれると、「諸先輩方からさまざまなアドバイスはありましたが圧力というものはまったくなく、私の考え、意思、そのお伝えの仕方として、党人として社会人としてもっとあるべき姿があるはずだと考えます」と話した。

   地元の横須賀では「いろいろとしがらみがあるのでしょう」と同情的な声もあれば、「だらしない!」「やっぱり、ダメか。残念だねぇ」と憤りやあきらめの声が入り混じっている。