「EV世界市場で圧勝したい」 ゴーン日産社長の野望見えてきた

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   日産自動車のカルロス・ゴーン社長(仏ルノー会長兼務)が2010年5月中旬、横浜市の本社で開いた決算会見や報道各社のインタビューなどを通じて、メディアに露出しまくった。「(走行時に二酸化炭素を出さない)ゼロエミッションでリーダーを維持したい」として、電気自動車(EV)のトップランナーの立場を守るとの考えを強調し、量産効果を出す具体策などを説明した。

   ゴーン氏の露出で、日産・ルノー連合のEV戦略が一気に広まり、EV先駆者を自負する三菱自動車が広報戦略を練り直すおまけもつく事態になった。

日産・ルノーで12年に年産50万台目指す

   一連のゴーン社長の発言のなかで、キーワードの一つは「日産・ルノー連合で12年に年産50万台」だ。現状では日産「リーフ」を年1万台程度生産するのがやっとなのだから、一気に量産体制を構築することになる。

   「年産50万台」は、EVの命運を握る動力源のリチウムイオン電池について、50万台分の年産能力を持てるかどうかにかかる。電池の年産能力は今、日産の座間事業所(神奈川県座間市)の約6万台分だけだが、米英仏、ポルトガルで順次生産を始めることで「50万台分」を可能にする計画だ。

   EVがガソリン車より割高なのは、一にも二にもリチウムイオン電池が高価なことによる。量産効果でコスト低減を図り、値下げに結びつけて普及を図るのが、日産・ルノー連合の狙い。ゴーン社長は「50万台を達成したら消費者が政府の補助金に頼らなくてもよくなる」と強調した。値下げ後の具体的な価格には触れていないが、発言から推測すると、補助金なしで376万円するリーフを、250万円前後にもっていく腹づもりのようだ。

超小型からやや大型まで品ぞろえ一気に拡大

   EVの品ぞろえも一気に拡大する。2010年の年末にリーフを発売した後、ルノー側で既存車をベースにした3車種を発売。12年には日産の小型商用車とルノーの1車種、13年には日産の高級ブランド「インフィニティ」にもEVを加え、計8車種にする方針。「街乗り用」とされる超小型から配達などの業務用、EVとしてはやや大型なタイプまで幅広いラインアップで攻勢をかける。ゴーン社長は「10年後には世界新車販売の1割をEVが占める」と予想し、「日産・ルノー連合でEV市場の大部分を占めたい」との考えを示す。

   さらに、4月に資本業務提携を発表した独ダイムラーとの間でも、ダイムラーの「スマート」とルノーの「トゥインゴ」の後継モデルの共同開発でそれぞれEVも作ることで合意しており、「リーダー」の地位を保つ一助としたい考えだ。

   ただ、成長が見込まれるEV市場には先進国メーカーはもちろん、中国など新興国もキャッチアップを急いでいる。果たして日産・ルノー連合が思惑通りに先行できるか、予断を許さない。

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