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やっぱり危ない南アW杯 ホテル前で「首絞め強盗」

   南アフリカで開催中のサッカーW杯は、日本代表が強豪カメルーンを下し、盛り上がりを見せ始めた。急遽観戦ツアーに出かける人もいるようだが、現地の治安状態は相変わらず悪く、犯罪の被害に遭遇する日本人も増えている。

ハグの最中にポケットから財布を抜き取られる

良い人もいれば悪い人もいる(村上敦伺氏撮影)
良い人もいれば悪い人もいる(村上敦伺氏撮影)

   日本代表が勝利を収めた2010年6月14日。試合後の午後6時半ころ、南ア中部のブルームフォンテーンで日本人男性が強盗被害に遭った。南アではW杯取材中のポルトガル人や韓国人、中国人が強盗被害にあっているが、日本人では初めて。

   男性は、日本代表戦の取材に訪れていたガンバ大阪のオフィシャルカメラマン(33歳)。試合会場のフリーステート競技場から約2キロ離れた「ホテルフォーミュラー1」に帰る途中、一緒に歩いていた仲間とはぐれたところを襲われた。

   通りがかりの男に時刻を聞かれて立ち止まると、隠れていた2人組に後ろから首を絞められ、持っていたリュックサックを奪われた。被害は現金とパスポート、カメラなどの機材だけで、ケガはないという。

   以前にも、背後から襲われ、腕で首を絞められた、といった体験がブログなどで語られている。

   また、ツイッター上には、試合終了後に現地の少年に求められてハグ(抱擁して祝福)している最中に、少年の仲間にポケットから財布を抜き取られたが、チェーンをつけていたため難を逃れたという人のツイートも見られる。

「荷物最小限に、身体から離さない」が鉄則

   現地で観戦していた村上敦伺氏によると、スタジアムの観客席で日本の勝利に酔う間、観戦チケットの入ったカバンが盗まれたり、デジカメや携帯電話をすられたりする被害が相次いだという。また、翌日のホテルのチェックアウト時にも、日本人が置き引きの被害に遭っている。

   村上氏は、W杯出場32カ国を踏破して現地観戦をする「世界一蹴の旅」プロジェクトを進行中。今回で5度目の南ア訪問で、これまで危険な目に遭遇した経験はない。ただ、

「どこが安全なのか情報を集め、危険な場所には近寄らないことが大事。安全といわれる場所でも、夜間に一人で行動してはいけない」

と現地の常識を明かす。その上で、外出するときは荷物を最小限にし、身体から離さないことが鉄則だという。

「南アに限らず、日本の常識は世界では通用しない。自分の身は自分で守るのが原則だ。犯罪者は明らかに外国人を標的にしているが、日本人の危機意識の低さも影響する。お祭り騒ぎに浮かれず気を引き締めて行動するよう警笛を鳴らしたい」

   南アの人たちの多くは親切で明るく人懐っこいというが、「世界最悪の治安」というのも事実。日本代表が勝ち進むことで、現地への渡航者が増えることも考えられるが、くれぐれも細心の注意が必要だ。