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長谷川洋三の産業ウォッチ
林横浜市長のトップセールス:人は理屈でなく感情でモノを買う

「私が横浜市の営業本部長として企業誘致のためのトップセールスに取り組む」

   林文子横浜市長は2010年6月22日、日本外国特派員協会の懇談会で民活の進め方を質問した私にこう強調した。林横浜市長は、ダイエー会長・CEOや日産自動車執行役員、東京日産自動車販売社長などを経て2009年8月に横浜市長に就任した。

   横浜市は日産自動車の本社を誘致するなど、みなとみらい地区を中心に民間の活力活用に熱心だが、林市長は自動車のセールスウーマンとして活躍するなど民間での実積があるだけに、市長としても民活で成果をあげたい意思を明確にした。

   「社長の仕事とは、社員がどうしたら気持ちよく働けるか、その環境作りをすることで、社員との信頼と共感なしには経営はできない」。そう考える林市長は現場回りに努め、市議会ともできるだけ不要な対立はせずに汗を流している。

   1965年に高校を卒業してOLに。当時の仕事と言えば、お茶くみとコピーとり、タバコ買いの3つ。転職を繰り返して、クルマのセールスを見つけ、「3か月たってダメだったらクビにしてください」という条件で飛び込みセールスから始めた。

「低成長社会では生活大事にする女性の視点は必要」

   「誠心誠意おもてなしのセールス」をしたらいつのまにかトップセールスになっていた。

   「ここで学んだことは、人は理屈ではなく感情でモノを買うという基本。男中心の社会では定量的な数字を基礎にしているが、おもてなしや感情で売る女性にもチャンスがあるという教訓だった」

   1985年の男女雇用機会均等法の成立後、その考えは浸透してきている。均等法世代は中間管理職に育っており、やがてトップマネージメントも出てくる、と予想する。

「低成長社会では生活を大事にする女性の視点は必要であり、今後10年間で女性が成功する場面が急速に増えるのではないか」