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セガサミーにサンリオ、オムロン… 報酬1億超「トップが創業家」目立つ

   1億円超の報酬を受け取っている会社役員が、2010年3月期決算分の有価証券報告書や株主総会の機会に続々と明らかにされるなかで、ゲームやアミューズメント施設などのセガサミーホールディングス(HD)や、キャラクター商品を展開するサンリオ、制御機器や健康機器のオムロンなど、トップを創業家が務める企業が目立っている。

   日産自動車のカルロス・ゴーン社長の8億9000万円やソニーのハワード・ストリンガー会長兼社長の8億1650万円には及ばないが、セガサミーHDの里見治会長も4億3500万円と負けていない。

スルガ銀行社長、副社長が1億円超える

   「セガサミー」の創業者、里見治会長兼社長は、1975年にサミー工業(現サミー)を立ち上げてから35年、ゲーム機器やソフトのセガなどとの合併を経て、セガサミーHDの傘下に、国内主要グループ24社と海外主要23社を有する、巨大なエンタテイメント企業グループに成長させた。

   セガサミーHDによると、「報酬総額の4億3500万円はHDと子会社のサミー株式会社との合算になります。決定方法は個々の取締役の職責と実績を勘案して代表取締役の協議によりますが、HDには6億円を上限とする規定を設けています」と説明する。

   中山圭史副社長も1億5500万円を受け取るが、同氏も89年にサミー工業に入社して以降、里見社長のいわば右腕の存在。1億800万円の小口久雄取締役COOはセガで代表取締役を務めていた。

   スルガ銀行は、いまでは珍しくなったオーナー系の地方銀行で、岡野光喜社長は1985年5月に就任して以来、25年にわたりトップを務める。就任当時は銀行界で最も若い頭取として注目された。そんな岡野社長の報酬は1億4100万円。実弟で、副社長の岡野喜之助氏は1億1000万円を受け取っている。

   みずほフィナンシャルグループを退任した前田晃伸・前社長ら6人が受け取った報酬が1億1000万円~1億2330万円というのだから、静岡県の地銀のトップとしては「大健闘」だ。

トヨタの章男社長は1億円に届かず

   まだある。キャラクター商品やアミューズメントパークの運営で知られるサンリオは、辻信太郎社長が1億500万円の報酬を受け取った。辻社長も、1960年8月に設立した山梨シルクセンター(現サンリオ)から、じつに半世紀をかけて1部上場企業に育ててきたことになる。

   積極的なM&Aを展開して総合フードサービス企業に伸し上がった、居酒屋チェーンなどのコロワイドの蔵人金男会長兼社長の報酬は1億3400万円だった。

   いまや従業員5133人を抱える制御機器や健康機器メーカーに成長したオムロンの創業者、立石義雄会長は1億400万円を受け取った。オムロンでは作田久雄社長も1億700万円を受け取った。同社の役員報酬は基本報酬と賞与の合算だが、賞与が多かった分、立石会長を上回った。実弟の立石文雄副社長は1億円には届かなかった。

   一方、注目されたトヨタ自動車の創業家、豊田章男社長の報酬は、1億円には届かなかった。トヨタが6月25日に開示した有価証券報告書によると、張富士夫会長の報酬が1億3200万円で最高。渡辺捷昭副会長が1億1400万円、岡本一雄副会長が1億800万円、稲葉取締役が1億2400万円だった。

   09年6月に就任して、いきなり米国などの大規模リコール問題で試練に立たされた豊田社長だったが、名前はなかった。