2024年 4月 23日 (火)

iPhone 4持ち方で電波障害 利用者になぜ説明しないのか

   多機能携帯電話「アイフォーン(iPhone)4」が、発売数日にして「不具合」に見舞われた。電話機の持ち方によって、電波が受信できなくなるというのだ。

   米国では、アップルの経営トップに「直訴」するユーザーが登場。日本でも、ネットで解決方法を尋ねる人が見られるが、今のところ「持ち方を変える」以外に有効な対策はなさそうだ。

アンテナバーがみるみる減っていく

電話機の側面にアンテナが隠れている?
電話機の側面にアンテナが隠れている?

   世界5か国で2010年6月24日に発売された「アイフォーン4」。日本でも、販売店には徹夜組を含む行列ができ、予約したものの発売日当日に購入できない人が出たほどの人気ぶりとなった。

   しかし、発売直後から各メディアがアイフォーン4の「欠陥」を指摘。米ITブログメディアの「TechCrunch」は24日付の記事に動画を載せて、電話機の持ち方によって電波が入らなくなることを実証している。テーブルの上に置かれたアイフォーン4は、電波の受信状態を示す「アンテナバー」がすべて立っている。だが電話機の両側を左手でしっかり握って持つと、バーの数がみるみる減って「圏外」になってしまうのだ。手を放してしばらくすると、バーは元の数に戻っていく。従来機の「アイフォーン3GS」などと異なり、アイフォーン4は電話機の側面が金属の枠で覆われており、この部分にアンテナが組み込まれているとの指摘がある。

   日本のユーザーも「店頭でお姉さんと実験した結果、間違いなかった…」とツイッターに投稿した人がいるなど、同様の問題が発生しているようだ。「2ちゃんねる」を見ると、

「アンテナの位置悪すぎだろw」
「こりゃ3GSから乗換えるのはやめて来年の新型に期待したほうがいいかも知らんね」
「公平に見て左手で持ったら圏外になる携帯電話って普通にリコールだな」

と、厳しい声が相次いでいる。

ウェブサイトに「公式発表」出さず

   ブログメディア「ギズモード」では、読者が電波受信障害について米アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)にメールで問い合わせた様子を記事にしている。「アイフォーンの(本体両側にある)金属バンド部分を持つと、電波が受信できなくなる。解決方法を教えてほしい」という要望に、6月24日付のジョブズCEOからの返信には、「そのような持ち方を避けてください」とあった。差出人がジョブズCEO本人である確証はないが、これまでもユーザーからのメールに手短ながら回答していると言われている。

   米アップル社のウェブサイトには、この件に関する公式コメントは日本時間6月29日現在出ていない。アップルジャパンに問い合わせると、本社が「声明」という形で米メディアに回答している文章を提供してくれた。それによると、電話機の特定部分を握ると、アンテナの場所によっては電波の受信状態が悪くなるのはどのような携帯電話にも起こりうると前置きしつつ、「(本体側面の)金属バンドにある黒い線状の部分の両側を隠さないように(電話機の)左下の隅を握らないか、(アイフォーン4用の)ケースをお使いください」とあった。「黒い線」がアンテナと思われる。要するに、持ち方を変えれば電波は入り、問題ないというわけだ。

   実に単純な解決法のようだが、これなら「公式発表」にしても差し支えなさそうだし、ウェブサイトで周知した方がユーザーにとって親切ではないだろうか。握られやすそうな位置にアンテナを組み込んだ「設計」にも、疑問が残る。発売3日で販売数170万台を突破したアイフォーン4だが、利用者へのアフターケアを誤ると大きな問題になりかねない。

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