トップと現場が責任なすり合い ゆうパック大遅配「必然」だった

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   お中元シーズンのまっただ中、郵便事業会社(JP日本郵便)の宅配便「ゆうパック」の大型遅配が続いている。「ペリカン便」との統合が招いた混乱は、お粗末な準備態勢が招いた「必然の結果」との声が現場からも挙がっている。

   2010年7月6日、原口一博総務相は、日本郵便の鍋倉真一社長に対し、遅配問題の報告を求める書面を手渡した。7月1日から5日までに約32万個の荷物が時間通りに配達できなかったとみられている。中には指定時間より3日を過ぎても届いていない荷物もあるという。

マニュアル届いたのは、統合直前6月半ば?

遅配を「お詫び」する日本郵便サイト
遅配を「お詫び」する日本郵便サイト

   遅配の混乱が始まった7月1日は、「ゆうパック」が「ペリカン便」を吸収する形で統合した日だ。統合までの道のりも混乱していた。「ペリカン便」を運用していた日本通運と日本郵便が共同出資した「JPエクスプレス」に両宅配便事業を移管する予定だったが、09年はじめに鳩山邦夫総務相(当時)が「サービス低下」を理由に横やりを入れ、さらに郵政民営化見直しを掲げた新民主連立政権の方針を受け、現行の枠組みが固まった。日本郵便の鍋倉社長は、元総務審議官で09年12月1日に就任会見を開いている。

   鍋倉社長は10年7月4日、遅配問題で会見を開き、「職員の訓練やシミュレーションなど万全の準備をしてきた」と述べた。毎日新聞(7月6日付朝刊)は「(鍋倉社長は)『いろんな研修や予行演習は行ったが、やや不慣れの人間が多かった』と現場の責任を強調」と報じた。

   こうした社長の認識には、現場から異論が相次いでいる。朝日新聞(同)によると、ある支店幹部は、マニュアルなどを本社が送ってきたのは「アリバイ作りでしかない」として、「このままでは現場が大混乱になると、支店のみんなが思っていた」と指摘した。毎日新聞も、「経営側の準備不足と甘い見通しによる見切り発車」(都内の支店に勤める社員)といった声を伝えている。マニュアルが届いたのは、統合直前の6月半ばだったとの証言も報じている。

   現場では、新情報端末の使い方や精算方式の変更などに伴う混乱が続いている。朝日新聞(同)によると、「ペリカン便」の吸収後、「ゆうパック」の荷物数は2倍近くに増えたが、集配拠点や人員は「ほぼ横ばい」だ。

お中元のシーズンなぜ避けなかった?

   そもそも、なぜお中元の贈り物が増え忙しくなる時期の最中に統合することにしたのか。7月1日の統合時期が決まったのは09年12月だ。7月は避けた方が良い、との声は社内の幹部や現場から挙がっていたが届かず、その後の修正もきかなかった形だ。「ペリカン便」が先行移管されていた「JPエクスプレス」が月50億~60億円の赤字を出していたため統合を急いだ、との見方もある。

   こうした報道から見えてくる日本郵便の体質とはどのようなものか。リスクマネジメント協会(東京)の理事で、フォーサイツコンサルティング社長の浅野睦(まこと)さんは、「権威勾配が急で、現場の声が権威の強すぎるトップに上がらない状態だったのではないか」と話す。

   また、「納期を守る」などの重要な項目を達成するために、どういうオペレーションを作るか、そのオペレーションがうまくいくかを検証しておくことは基本作業だが、「似たようなことはしたかもしれませんが、厳密にはできていなかったということでしょう」と危機管理意識の甘さを指摘した。

   物流業界の中には、災害などの際にどのように混乱を克服して「次善の解決策」(いつも通りの4時間以内の搬入は無理だが8時間以内には届ける、など)を取ることができるか、を日頃から検討している会社もあるという。こうした会社と比較すると、日本郵便は緊張感のなさを指摘されても仕方なさそうだ。とはいえ、浅野さんは「日本郵便は今回の混乱を教訓に、物流という社会インフラの使命を十分に果たせるようになってほしい、と期待しています」。

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