高橋洋一の民主党ウォッチ
見切り発車民主の「新成長戦略会議」 小沢新代表ならどうなるのか

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   いよいよ民主党代表選が終盤になってきた。世論調査では、菅氏がリードというが、投票するのは、国会議員、地方議員、党員・サポーターであって、世論調査対象の一般の人ではない。世論調査も、菅氏と小沢氏のどちらがいいかという究極の選択である。

   この投票は最後の最後までわからない。これまでの代表選でも優勢といわれていた人が実際にならなかったこともよくある。終盤戦では、勝ち馬に乗ろうとする人を誘導しようと「自陣に有利」との風評をお互いに流すので、マスコミはどちらの陣営からの情報を流すかで、まったく違ってくる。

あらゆる情報のタイミングには意味がある

   そうした状況なので、ここ数日間のニュースはよく注意しなければいけない。私はあらゆる情報のタイミングには意味があると思っている。

   そのような中で、9月8日、最高裁が、受託収賄やあっせん収賄など4罪に問われた衆院議員鈴木宗男氏に対し、上告棄却の決定を下した。これで実刑がほぼ確定した。どうしても、うがった見方をしてしまうが、これは小沢氏にダメージだ。鈴木氏を衆議院外務委員長に抜擢したのは小沢氏だからだ。10日に大阪地方裁判所で行われる村木厚子・元厚生労働省局長の裁刑事判で無罪判決が予想されているから、検察へのマイナスイメージを中和させる役割もある。

   いずれにしても、菅陣営にとって、ここ数日間は現職の強みを生かせる大きなチャンスである。その観点から見ると、9日、官邸で開かれた「新成長戦略実現会議」(議長・菅直人首相)の初会合は、菅政権の絶好のアピールだった。メンバーは、菅直人総理(議長)、仙谷由人官房長官、荒井聡国家戦略担当相、野田佳彦財務相、直嶋正行経済産業相、白川方明日銀総裁と関係閣僚。民間からは日本経団連の米倉弘昌会長ら経済3団体のトップと連合の古賀伸明会長、小宮山宏三菱総合研究所理事長、伊藤元重東大教授、宮本太郎北海道大教授が参加した。メンバー構成だけを見ると、かつての「経済財政諮問会議」と似ている。労働界代表が入っているのが民主党政権らしさとなっている。

   この会議の設立根拠は、9月7日の閣議決定になっている。閣議決定と聞くと一般の人は凄いと思うだろうが、こうした重要な会議では弱い。この会議が本当のバトルの場になるためには、法律にもとづくもっとしっかりした土台が必要だ。事務局は国家戦略室らしいが、国家戦略室自体がその位置づけがはっきりしない。昨09年の鳩山政権発足時には、政権の目玉だといわれていたが、スタートダッシュの仕組み作り(法案提出をしなかった)で失敗し、菅政権になっても「国家戦略局への格上げ断念。シンクタンク機能に縮小」となった。

   その後、政治主導の放棄と批判されると、「国家戦略局への格上げ」とかいいだした。民主党の「政治主導確立法案」では、国家戦略局はかなり強い権限をもっているが、その法案自体の成立の行方がわからず、その上にのっている「新成長戦略実現会議」もどうなることやら。

「パフォーマンスといわれてしまう」

   イメージ先行、しっかりとした制度なしで見切り発射するのは民主党のお家芸。「新成長戦略実現会議」もそうした運命を背負っている。しかも、この時期のスタートだ。小沢氏が代表になったらどうなるかわからない。

   ただ、かつての経済財政諮問会議と同様に、日銀総裁をメンバーとしているのは評価できる。これまで、総理と日銀総裁が会うことすらスムーズでなかったのは問題だった。

   ここは、大いに経済問題を議論してもらいたい。気に掛かるのは、日銀のスタンスだ。9日の日銀総裁の挨拶は、需要を作るのは政府の役割であって金融政策には限界がある旨の話だった。日銀は、低金利なのでこれ以上の金融緩和はできないという。マスコミなどはそうした言い分を信じているが、経済にとって重要なのは名目金利ではなく実質金利(名目金利-予想物価上昇率)だ。日銀は名目金利が低いといっているが、金融政策のスタンスによって予想物価上昇率が変化するのは実証されているので、実質金利を下げられる。

   日銀の役目は、実質金利を下げて設備投資を促し、円高を是正し、国内に雇用環境を作ることだ。今の円高の9割の責任は日銀であるというデータもある。折角の会議であるので、日銀にもその役割をしっかりとってもらいたい。そうでないと、菅政権のパフォーマンスといわれてしまう。



++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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