2024年 4月 25日 (木)

「週末海外旅行」どう楽しむか 羽田再拡張で「安・近・短」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   羽田空港の新国際線ターミナルが開業し、都心からの海外旅行がより手軽になると期待が集まっている。中でも、ビジネスパーソンの活用にとって身近になりそうなのが、深夜・早朝の便を利用した「週末海外旅行」だ。どのような楽しみ方ができるか、可能性をさぐってみた。

   新国際線ターミナルは、2010年10月21日にオープン。現段階では、羽田からはソウル、上海、北京などと「定期チャーター便」が飛んでいるが、10月31日からは、東南アジア路線や北米・欧州便も定期便として開設される。

8割が前向き、特に20代と30代の女性

羽田からの「週末海外旅行」に注目が集まっている
羽田からの「週末海外旅行」に注目が集まっている

   成田と比べた時の一番の特徴は、やはり都心との近さだ。モノレールは国際線ターミナルと浜松町とを間を最速13分で結び、モノレールの改札口からチェックインカウンターまでは1分もかからない。

   このことから、「金曜日の仕事が終わってから羽田に直行し、週末を海外で過ごし、月曜早朝の便で羽田に帰国。そのまま出勤する」というスタイルの「週末海外旅行」が注目を集めている。

   調査会社「マクロミル」が10年8月下旬に、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)の20歳以上の会社員1000人に対して行った調査によると、「『週末海外旅行』に行ってみたいか」という問いに対して、全体の42.1%が「行ってみたい」、37.5%が「やや行ってみたい」と回答。8割が興味を示している様子だ。性別・年第別に見ると、特に高かったのが20代女性(87.2%)と30代女性(86.4%)だ。

   行きたい国・地域を複数回答で聞いたところ、韓国が最も多く59.3%で、グアム(36.4%)、ハワイ(34.8%)、香港(27.9%)、台北(25.0%)が続く。人気なのは比較的近場が多く、グアム路線以外は、羽田からも就航予定だ。

   だが、これらの利用者の需要が、実際の羽田の利用に結びつくまでには、いくつかハードルがありそうだ。

   今回の調査によると、大人1人あたりの予算の平均額は8万851円と、比較的抑え気味だ。その中でも、前出の「『週末海外旅行』に行ってみたい」と回答した割合が高かった20代女性と30代女性の平均予算額は、それぞれ7万3835円と6万9185円。格安志向が強く表れている。

羽田は成田より8000円~1万円割高

   だが、旅行各社のツアーや各航空会社が出している割引チケットの価格を見ると、羽田発着の便の方が、成田発着よりも往復で8000円~1万円程度割高に設定されている。都心から各空港に向かう運賃を考慮したとしても(東京駅から成田空港は成田エクスプレスを使った場合往復5880円なのに対して、羽田空港まではモノレール経由で1240円)、トータルで見ても3000円~5000円程度、成田空港の方が割安だ。「格安志向」の旅行者のうち、どの程度の人が、あえて「カネで時間を買う」形で羽田を選択するかは未知数だ。

   さらに、10月31日から早朝・深夜便が就航するのは、シンガポール、バンコク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、バンコク、ホノルル、パリといった中距離路線に限られており、ニーズが高いソウル便などの近距離路線は、日中にしか飛んでいない。最も遅く出発するソウル便は20時5分発の大韓航空2710便だが、職場から直行してこの便に間に合うのは、やや難しそうだ。

   国際線の発着枠は13年度にさらに増える見通しだが、それまでは「帯に短し、たすきに長し」に近い状況が続く可能性もある。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中