高所得層に大増税のしかかる 相続税も退職金も控除も見直し

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   政府税制調査会を中心に2010年末に向けて進む税制改正論議で、高所得層に負担増を求めるメニューが目白押しだ。財源不足が深刻な中、「目玉施策」のための財源探しがままならず、「取りやすいところから取る」(エコノミスト)ということらしい。だが、景気の先行き不透明感が強まっており、内需の柱である個人消費へのマイナスの影響を懸念する声も出ている。

   2010年11月9日の政府税調の全体会合で、所得税と住民税の見直しについての議論に着手。財務省の尾立源幸政務官が所得税見直しの論点として、「所得税の累進性と所得再分配の機能を回復するため、控除の見直しに取り組むことが必要」と訴えた。

年収1000万円以上は配偶者控除廃止へ

   「控除」は、収入から一定額を差し引いて所得税と住民税の課税対象から外すもの。所得税は所得が増えるにしたがって税負担も重くなる「累進課税」を基本にしているが、自民党政権下で各種控除が拡大され、累進性が弱まり、税収も減った。

   2009年、民主党が「控除から手当へ」との基本理念を掲げて政権に就き、2010年度の税制改正で扶養控除の年少部分(15歳以下)と特定扶養控除の一部(16~18歳)の廃止を決め、子ども手当の半額支給や高校の実質無償化の財源に充てた。11年度は、積み残しになっていた給与所得控除と配偶者控除、成年扶養控除を見直す。

   配偶者控除は、所得額にかかわらず38万円(住民税は33万円)を控除している。政府税調は、来年度からの子ども手当の上積みの財源として、年収1000万円以上程度の世帯について同控除を廃止する方向で検討を進める。

   給与所得控除は、一定額を必要経費として課税所得から差し引くもの。所得が増えれば控除額も増える仕組になっているが、これに上限を設ける方向で議論。「2009年も年収2000万円の上限が議論されたが高すぎる。1000万円前後が適当ではないか」(峰崎直樹内閣官房参与)との声がある。役員の給与の控除については一般給与の半分に抑えることも検討課題で、「一般社員より交際費も認められやすい」(財務省筋)などの理由からだ。

   23~69歳を扶養親族として持つ納税者が対象の成年扶養控除にも所得制限を設ける方向だ。

   退職金への課税強化も検討されていて、現行は控除後の2分の1を所得税の課税対象としているのを、短期間で退職した場合は控除後の全額を課税対象とするなどが有力だ。

   11日の税調全体会合で議論された相続税も同様。バブル期の地価上昇に合わせて引き上げた基礎控除が現在もそのままで、相続件数に占める課税件数の割合は、バブル期の6%台から08年には4.2%に低下し、相続税収もピーク時の4割強まで激減していることから、基礎控除の引き下げを軸に増収が検討されている。

子ども手当て支給に所得制限導入も検討

   現行の基礎控除(5000万円プラス法定相続人1人につき1000万円)を3000万~4000万円に下げる案が浮上している。ただ、生前贈与は減税して現役世代への資産の移転を促し、個人消費を刺激することを検討する。

   証券優遇税制延長の是非も議論。上場株式の配当と譲渡所得への税率を10%に軽減する措置は11年末が期限。金融庁は「証券市場を活性化させる」と延長を要望していたが、効果を疑問視する意見があり、本来の20%に戻すべきだとの声が強まっている。

   税制論議の行方とも絡むが、子ども手当てを3歳未満に限り増額する財源として、手当て支給に所得制限を導入することも検討されている。

   こうした一連の高所得層に狙いを定めた控除廃止など負担増は、自民党政権時代からの大きな路線転換になる。自民党時代は景気を良くするための個人消費拡大策として「購買意欲が強い高所得層を優遇した方が、効果があるとの考えが強かった」(エコノミスト)。

   これに対して民主党政権は「高所得層の優遇が行き過ぎた」というのが基本認識。「経済論としても、生活に余裕のない低所得層ほど消費性向(可処分所得のうち消費に回る割合)が高いから、低所得層の家計を暖める意味があるとの考えは一理ある」(エコノミスト)。

   いずれにせよ、個人への増税は可処分所得を減らすので、景気のマイナス要素であるのは間違いない。民主党内にも「この経済情勢で増税は極力回避すべきだ」(中堅議員)との慎重論も根強く、税制改正大綱決定まで、厳しい議論になりそうだ。

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