長谷川洋三の産業ウォッチ
マツダ社長の戦略:「フォード以外と新たな資本関係を持つことはない」

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「フォード・モーターとの提携関係については、フォードが所有株式を削減した後も3・5%を保有していることに注目して欲しい。フォードとは30年以上の親密な関係があり、フォード以外の自動車メーカーと資本関係を持つつもりはない。ただ独立した会社であるので、トヨタ自動車とハンブリッドカー技術の提携をしたように、個別の技術領域で提携することはある」

   マツダの山内孝社長は2010年12月6日、FCCJ(日本外国特派員協会)で記者会見し、フォードが保有株式を大幅に削減したことで、マツダがフォードに代わる他メーカーとの資本提携をめざすのではないかと尋ねた私にこう返答した。

「保有株は減ったが、関係には変わりはない」

   2008年に社長に就任した山内氏は、フォードがマツダの所有株を25%から33・4%に買い増しするかどうかを検討した1995年末から1996年はじめにかけ、経営企画役員として経営精査にあたるフォードとの交渉のフロントにいた。「10人もの弁護士を相手に厳しい質問に対応することは大変きつかったが、事実を述べて株を買い増してもらった」。

   その結果、フォードはウオーレス氏を社長として派遣するなどマツダの経営に本腰を入れることになった。しかしフォードは2008年には保有株を11%まで減らし、2010年には3.5%まで減らした。

「2008年はリーマンショックで多額の負債をかかえ、資金が必要だったし、今回は新興市場に投資する資金ねん出が必要だった。ただこの過程を通じてフォードは一貫して戦略的提携は続けると言っている。保有株は減ったが、そのプロセスを見れば関係には変わりはない」

自動車再編成の台風の目、という見方を否定

   フォードのマツダ株売却でフリーハンドを得たマツダが新たな自動車再編成の台風の目になるのではとの観測もあるが、この日はこうした観測を全面否定。「最盛期にはフォードから38人が来ていたが現在は5人。しかし38人のうち半分はマツダに転籍してもらってマツダの米国や欧州の経営幹部になってもらうなど、ダイバーシフィケーション(人材の多様性)は絶やしていない」と、グローバル時代に生きる知恵の伝授の必要性を強調していた。

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