個人向け国債の大量償還ラッシュ 早くも「浮遊マネー」争奪戦

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   2006年1月に販売を開始した固定金利5年もの個人向け国債が、11年1月に満期を迎え、初めて償還される。第1回債を皮切りに3か月ごと、1年間に約4兆円もの大量の償還金が市場に出回ることになる。

   これに、12年3月には変動金利10年もの、さらに13年には今年7月に発売を開始した固定金利3年ものの個人向け国債の満期が重なってくるため、当面は償還ラッシュが続く。

長期金利上昇の可能性「当然あります」

   個人向け国債の発行は2003年3月の変動金利10年ものが最初。年0.09%の金利で3835億円を集めてスタート。04~07年には毎回(年4回発行)1兆円超の金額が集まった。

   固定金利5年もの個人向け国債は、第1回債で1兆1285億円を発行し、そのときの金利は年0.80%を付けていた。今回はまず、この分が償還を迎える。

   06~07年に発行された変動金利10年もの国債の金利が年0.68~1.10%だったのに対して、5年ものは年0.80~1.50%で、金利の「逆転」現象が起こった。5年もの国債はピーク時(07年7月発行分)に1兆5964億円を発行するなど、個人向け国債はちょっとしたブームとなった。

   大量償還について、財務省は「現在、償還額がどの程度のものなのか、正確には把握していません。中途換金分があるので(年間分の約4兆円)は下回ります」という。

   ファイナンシャルプランナーの松浦建二氏は、「家計の国債保有割合は5%程度なので、それほど大きな影響はないのではないか。もちろん財務省は影響が軽微で済むような対策を講じるはず」とみている。

   しかし、一方で国債全体の発行額はますます膨れ上がっている。松浦氏は「全体としてのコントロールは難しくなっていくと思いますから、一歩間違えれば長期金利が上昇する可能性も当然あります」とも指摘している。

外貨買いに拍車? 株高円安に期待

   年間約4兆円もの償還金の行方に、銀行や証券会社などの関心は高い。償還金はこれから「投資先」が決まる、いわば「浮遊マネー」。その争奪戦がはじまろうとしているのだ。

   5年もの個人向け国債の金利は現在(2011年1月発行予定分)、年0.37%。今回償還を迎える国債よりも0.43ポイント低い。

   この金利差では、償還金が新たに発行される国債に「再投資しようというニーズは少ないだろう」(証券会社の関係者)とみている。

   国債に再投資する人もいないわけではないのだろうが、ある地方銀行の幹部は「金利が低いことや、最近は長期金利が上昇しているため、いまの状況が続くとなると購入後に金利が上がる(債券価格は下がる)心配があるので、勧めづらい」ともいう。

   ただ、個人向け国債の保有者はリスクをとることに消極的だ。そのため、銀行や信用金庫などの多くは定期預金を中心に置きながら、投資信託や保険商品を勧めたい考えだ。東京都内の、ある信用金庫は、「定期預金の店頭金利に優遇金利を乗せて、積極的に獲得する」と話す。

   FPの松浦氏は、「多少のリスクをとっても、外貨建てMMFや、外債やインフレ対応型の個人年金など、為替と他国の国債をからめた商品あたりにシフトするではないか」と予測する。

   外貨預金やFX取引をはじめ、いま外貨建て商品は人気だ。こうした商品への投資が進めば、円が売られるため円安に働く。前出の証券会社の関係者は、「円安への動きは進むとみています。円安・株高となればいいんですが」と期待する。

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