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「モンハン」効果で「PSP」売り切れ 値段も5割以上高くなる異常事態

   携帯型ゲーム機「PSP(プレイステーション・ポータブル)」が売り切れで買えない、と騒ぎになっている。品切れ状態は2010年12月後半から始まり、都内のゲームショップによると「いつ入荷するか未定」という状態だそうだ。大手のネット通販サイトも品切れ。たまたま在庫があったとしても、従来の小売価格より5割以上高い値段が付いているものも出回っている。

新品1万9800円、中古で4万4800円の怪?

   「15店舗回ったけど1個もなかった」「まるで生産を打ち切ったような品薄」―――年明けからこんな書き込みがネットの掲示板やブログに溢れた。この騒ぎは今も続いていて、11年1月7日に大手通販サイトで「PSP 3000 本体」で検索してみると「1月10日以降入荷し次第発送★キャンセル不可」などの告知が並んでいる。

   「アマゾン(Amazon)」ではいくつか売られているのだが、その価格は新品で3万4799円から。中古は4万4800円から、などと書かれている。「PSP 3000」の希望小売価格は1万9800円で、大手量販店ではこれまで1万6800円で売られるのが一般的だったが、品薄から価格がとんでもないことになっている。

   ある大手量販店の通販サイトでも在庫はゼロ。この担当者の話によれば、

「10年12月に『モンハン』が発売されたのを機にPSPの売れ行きがドカンと来て品薄になった。入荷するとたちまち売れてしまう状況だ」

という。

   「モンハン」というのは、カプコンの「PSP」用ゲームソフト「モンスターハンターポータブル 3rd」のこと。恐竜のような巨大なモンスターをハンティング(狩る)するゲームで、通信を使ってゲーム仲間と一緒にプレイできるのが魅力。2010年12月1日に発売されると5日間で214万本以上を販売。カプコンは国内で400万本の出荷となり、「モンハン」シリーズ累計で1700万本を突破したと11年1月5日に発表した。

「生産を増やすかは決まっていない」とSCE

   メディアクリエイトの調査によれば、10年11月29日から12月5日までの一週間で売れた「PSP」は32万3653万台。1年前の09年11月30日から12月6日に売れたのは6万7880台だからケタが違っている。メディアクリエイトがその後調査した数字を加えると、「PSP」は1ヶ月間で90万台以上売れた計算になる。

   この品切れ状態はいつ緩和されるのだろうか。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の広報に問い合わせたところ、「PSP」が非常に売れているのは「モンハン」などのビッグタイトルが数々発売されたことと、「PSP go」の販売価格を値下げした相乗効果で「PSP」への関心が高まったからだろうと説明する。

   ただ、在庫が無くなっている店もあるが、残っている店もあり、そのバランスを考えながら生産しており、

「生産数を増やすかどうか社内で検討していると思いますが、まだ何も決まっていません」

ということだった。