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首都圏の放射線量徐々に減少 都内などほぼ平常値に戻る

   危機的状態が続いている福島東京第一原子力発電所。3号機の水素爆発直後、首都圏では放射線量が急激に上がったが、徐々に減少しており、爆発から1週間経った2011年3月21日、平常値に戻りつつある。

   福島第一原発で特に危険だと見られていたのが3号機。14日に水素爆発が起きて建屋の上部が吹き飛んだ。使用済み核燃料ブールの水など、高濃度の放射性物質が飛び散ったと考えられ、翌15日午前、3号機付近で毎時400ミリシーベルト(40万マイクロシーベルト、1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト)の放射線量を記録。14日の最高値、3130マイクロシーベルトの約130倍となった。

さいたま市では15日の20分の1、ほぼ平常値に

   15日は首都圏でも次々と平常時より高い放射線量が記録された。埼玉県さいたま市では1.222マイクロシーベルトまで上昇した。健康に影響の出る値ではないが通常の20倍以上だ。東京都内でもヨウ素やセシウムなどの微量の放射性物質が検出され、新宿区でも0.809マイクロシーベルトを観測した。

   しかしその後放射線量は減少傾向にある。さいたま市での一日の最高値をみると、18日には0.061マイクロシーベルトとこの段階ですでに15日の20分の1。埼玉県の平常値は0.031~0.060マイクロシーベルトなので、ほぼ平常だ。その後の1日の最高値は0.058マイクロシーベルト(19日)、0.062マイクロシーベルト(20日)。20日が若干高くなっているが、この日は一日の最低値が0.052マイクロシーベルトで、16日以来最も低い数値も出した。

福島市も減少傾向だが20日でも8マイクロシーベルト前後

   新宿区も、一日の最大値でみると、16日に0.161マイクロシーベルトに大きく減少。18日から20日は0.050から0.053マイクロシーベルトで安定しており、事故以前の平常値の範囲に入っている。

   千葉県も事故直後は市原市で0.313マイクロシーベルトと過去最高を記録したものの、19日と20日の8時~9時の数値で0.033マイクロシーベルトと約10分の1になっており、安定状態に入っている。

   ただ、福島県福島市では減少傾向にあるものの、20日の段階でも8マイクロシーベルト前後。このレベルでも健康には影響がないとされている。15日に5.575マイクロシーベルトを記録した茨城県北茨城市も一度は0.6マイクロシーベルト以下になったものの、21日朝は1マイクロシーベルト前後で推移している。