センバツ予定通り開幕 「ど派手」開会式は「自粛」

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   震災被害の中で「プレーボール」-。高校野球の選抜大会が2011年3月23日、甲子園球場で予定通り開幕した。大会最大のハイライトである開会式は、被災を考慮して選手がグラウンドを一周する入場行進などを自粛。「春はセンバツから」といわれるほど、この大会は暖かくなる春の風物詩として親しまれてきた。

   それが今年は東北関東大震災で日本中が揺れる最中とあって、華やかさと派手さが売り物だった開会式が様変わりした。

モデルはオリンピックだった

   選抜大会の開会式といえば、とにかく「ど派手」で知られる。花火などを使い高校スポーツとは思えないほど。このセレモニー、実はオリンピックの開会式がヒントになっている。

   大会が始まったのは夏の選手権から遅れること10年の1924年(大正13年)。開会式が現在の原型となったのは1929年の第6回大会から。前年のアムステルダム五輪に出場した陸上の人見絹枝さんがアイデアを出したと伝えられている。

「開会式の入場行進で、日の丸の国旗を見たときの感動は素晴らしかった」

   その体験が採用のきっかけになったという。校歌吹奏、校旗掲揚、そして校名を書いたプラカードの登場である。今では野球に限らずおなじみの光景が80年以上も前に甲子園球場に出現していた。

選手宣誓では精いっぱいの心配り

   通常なら今大会でもそんな開会式が行われたはずだった。大会スローガンは「がんばろう!日本」。選手宣誓をした岡山・創志学園の野山主将は、西日本が神戸・淡路大震災に遭った1995年に生まれた。宣誓ではそれを盛り込んだ。

   「野球ができる幸せ」「貴重な体験」

   野山主将は開会式のあとでそう言った。年端もゆかない高校生が精いっぱいの心配りを込めた姿に、震災のむごさを改めて痛感させられた。

   開会式では、選手の場内一周行進は自粛したものの、センターからホームに向かって真っすぐ行進はした。「一周」と「直線」の違いはなんなのだろう。スタンド添いに行進することがよろしくない行為ということらしい。それが高校生に理解できることか疑問である。

(スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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