原子力と放射能の基礎知識/連載(1)福島第一原発災害のあらまし 
日本原子力学会異常事象解説チーム/小川順子・東京都市大学准教授

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   福島第一原発事故をめぐるニュースで飛び交う、放射能、ベクレル、被ばく……そんな基本用語をどう理解すればいいのか。関連ニュースで報じられる各種の数値に対し、どうすれば心配し過ぎは避けながら適切な警戒をすることができるのか。日本原子力学会(東京都港区)の異常事象解説チームのメンバーに数回にわたって寄稿してもらった。初回は、東京都市大学の小川順子准教授が事故の経緯を振り返る。

――2011年3月11日、観測史上最大級のマグニチュード9.0の巨大地震が東北太平洋沖で発生し、福島第一原子力発電所(1号機から6号機まである)は、設計時の想定(5.7m)をはるかに超える14mともいわれる津波に襲われました。

   発電所は、大きな揺れには耐えるように設計されていて、運転中の1号機、2号機、3号機は、即座に自動停止しました。自動停止の次に重要なことは、原子炉の中心部分で熱を出している燃料を冷やすことです。

非常用電源作動せず冷却機能失う

   燃料内部には、運転中に生じた放射線を出す物質(放射性物質)が存在します。そこから絶えず放射線を出し、それとともに熱を出しているからです。熱を出し続けると燃料が溶けて、高い熱を持つ塊になってしまう恐れがあり、原子炉そのものを損傷させることにもなりかねません。この熱を取り除くためには、海水ポンプを使って冷却した水を循環させ、継続的に冷却することが必要です。この海水ポンプを使うには電気が必要なのです。

   この電気は、災害で原子炉が止まった場合、外部(つまり東北電力から)の電気を使うか、非常用発電機により自力で作らなければなりません。今回の震災では、東北電力からの電気は停電、非常用発電機は、津波で燃料が流されたり、機器が海水を被ったりして使えなくなりました。そのためできうる手段を使い、なんとか冷却を試みましたが、原子炉の水は、発熱による蒸発で減り、燃料の上部が水面から出てしまって、冷やすことができずに破損したと考えられます。

   同時に蒸気発生により原子炉の圧力が高まりました。原子炉の変形や損傷を防ぐために、原子炉の圧力を、外側の容器である原子炉格納容器に逃がしました。すると原子炉格納容器の圧力が上がりました。1号機から3号機では、その圧力を気体にしてそれぞれ1~2回外に出しました。このとき、気体になった放射性物質も空中に出されたため、一時的に各地の放射線量が上がりましたが、この放射線量は、少なくとも現在の屋内待避指示地区を含むエリアより外の区域では健康には影響しない数値でした。

   また原子炉内では燃料棒の金属部分と水の反応で水素が発生し、それが、原子炉から上部に漏れ出し、酸素と反応して爆発したと見られています。この爆発で、1号機と3号機の建物上部の壁は吹き飛んでしまいました。2号機は、建物は損傷していませんが、原子炉の下側の圧力抑制室といわれる部分で異音を生じ損傷したといわれています。

一進一退の状況

   一方、原子炉の上方には、使用済燃料プールがあります。これらプール内の燃料もまだ熱が出ていて継続的な冷却が必要ですが、それもできなくなり、使用済燃料プールの水も減りました。4号機では、やはり金属部分から出た水素が酸素と反応して、爆発し、壁に大きな穴が空きました。燃料の破損を防ぐため、陸上自衛隊や、警視庁などの協力で、プールへの放水などが行われ、プールの水位が下がらないようにしています。

   事態は、一進一退となっていますが、電源復旧工事が本格化しようとした矢先の3月24日、3号機のタービン建屋地下の作業者が被ばくし、原子炉内の冷却水が、外部に漏洩していることがわかりました。この水からは、毎時400ミリシーベルトの高い放射線量が測定されました。

   さらに27日には、2号機のタービン建屋地下にも溜り水があり、その放射線量は、1000ミリシーベルトに上っていること、また放射線管理区域外にある溝に原子炉から出た放射性物質を含む水が溜まっていることがわかりました。原子炉内にあった水の一部が外部にまで出たのではないかと思われます。さらに発電所の排水口付近でも通常の放射線量の1000倍以上の数値が観測されました。

   以上が4月1日までの福島第一原子力発電所で起こったことのあらましです。3日からは、さらに4回にわたって、この事故と深い関係のある放射性物質、放射線、放射能や、飲料水・食物からの放射線と健康との関係などについて解説します。

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