強い地震のたびに円高になる不思議

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   東日本大震災から1か月がすぎても大きな余震が多発するなか、外国為替市場では円相場が揺れている。

   大地震や福島原発事故は日本経済の減速につながるため、「通貨の価値」は下がる。つまり円安に向かうのが素直な見方といえるが、震災直後には過去最高値の1ドル76円25銭にまで急騰。2011年3月18日には先進7カ国(G7)が「円売り」の協調介入に踏み切った。4月に入って1ドル84円台で推移しているが、80円をうかがう気配もある。

「1ドル80円が見えてくると下がる」

   東京外国為替市場のドル円相場は、2011年4月13日17時時点で1ドル83円90~92銭近辺で推移している。前日比42銭の円高・ドル安だ。

   4月6日に1ドル85円台にまで円安が進んだことで、リスク回避の「円買い」との見方や、「今週に入ってからの円高はファンド勢による利益確定が主因」(市場関係者)との見方がある。

   市場関係者は、震災後の3月14日~18日の対内外証券投資データから、「保険会社が震災の保険金の支払いのために海外資産を売ったため、円高になったという見方には説得力がない」という。

   また、第一生命経済研究所主席エコノミストの島峰義清氏は、「基本的に、多くの機関投資家は地震だからといって海外資産を売るようなことはそう簡単にはしない。ただ、これを材料に利益を上げようとする投機筋や個人投資家がいるので、現状のような相場の動きになっているのだと思う」と話している。

   専門家の予測では「円安基調」が少なくない。J-CASTニュースの取材でも、「過度な円高リスクは小さい」(第一生命経済研究所の島峰氏)、「米国の利上げ観測から、日米の金利差が拡大。そのために円売りドル買いが進む」(外為どっとコム総研シニア・ストラテジストの岡田剛志氏)とみている。

   現状は、3月のG7による円売りの協調介入が「重石」になっていて、「円高に進んでも、80円が見えてくると下がる」ことの繰り返しだ。

余震で株から円に資金が流れる?

   東北や関東甲信越では、東日本震災後も震度6程度の大きな揺れに何度も襲われている。円相場はそのたびに、円高に振れている。

   では、なぜ「円高」に向かうのか――。前出の市場関係者は、「地震の発生によって原発事故が深刻化し、それが世界的な株価下落を招く心配があり、それまでリスク資産に投資していた資金がリスクの低い低金利通貨(円)に流れるため」と説明する。もっともらしい理屈だが、正しいかどうかは誰にもわからない、といったところだ。

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