2024年 3月 19日 (火)

大津波に耐えた「ひょっこりひょうたん島」の女神【岩手・大槌発】

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(写真は被災後の蓬莱島。右端の灯台が真っ二つに折れている=大槌湾で)


(13日大槌発=ゆいっこ花巻支部;増子義久)

苦しいこともあるだろさ 悲しいこともあるだろさ
だけどぼくらはくじけない 泣くのはいやだ 笑っちゃおう 進め

   大槌湾の湾内に故井上ひさしの原作『ひょっこりひょうたん島』のモデルとされる蓬莱(ほうらい)島がある。今回の大災害で陸と島とを結ぶ防波堤は流され、島にあった弁財天の鳥居と灯台が崩壊した。NHKテレビで放映された人形劇「ひょっこりひょうたん島」は国民的な人気番組となり、この主題歌は多くの子どもたちの愛唱歌となって、歌い継がれてきた。地元では毎日正午、防災無線を通じて全町内に流され、4月29日には恒例の「ひょうたん島まつり」が開催されるなど町の自慢のひとつでもあった。

   「お社(やしろ)だけは残った。弁天さん(弁財天)は女の神様。やっぱり女は強いなあ」と軽口をたたきながら、約100メートル先に浮かぶ蓬莱島に手を合わせる町民も目立つようになった。島に次々に襲いかかる難題をみんなで知恵を出し合って解決する―というのがこの物語のテ-マ。「町の復興のためには弁天さんの力を借りなければ…。今年は無理だけれど、来年からはお祭りも復活したい」とまつり実行委員長の黒沢豊勝さん(69)。

   「ひょっこりひょうたん島」の精神こそがこの町の復興を約束するものなのかも知れないし、心底、そう願いたいと思う。約150年前、日本近世史上最大規模と言われた「三閉伊一揆」のエネルギーがこの地を駆け抜けた。瓦礫(がれき)の下にはその時の歴史の記憶が地下水のように流れているのである。

被災前の蓬莱島
出漁前、漁師たちは必ず弁財天に手を合わせ、豊漁を祈願した
被災前の蓬莱島
出漁前、漁師たちは必ず弁財天に手を合わせ、豊漁を祈願した

ゆいっこは民間有志による復興支援組織です。被災住民を受け入れる内陸部の後方支援グル―プとして、救援物資やボランティアの受け入れ、身の回りのお世話、被災地との連絡調整、傾聴など精神面のケアなど行政を補完する役割を担っていきたいと考えています。
岩手県北上市に本部を置き、盛岡、花巻など内陸部の主要都市に順次、支部組織を設置する予定です。私たちはお互いの顔が見える息の長い支援を目指しています。もう、いても立ってもいられない───そんな思いを抱く多くの人々の支援参加をお待ちしています。
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