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東京スカイツリーに負けない 東京タワー、新たなチャレンジ

   東京スカイツリーが登場することで、存在感が薄まることが懸念される東京タワーだが、地方自治体とのタイアップ企画を積極的に行うなど、新たな方向性を打ち出そうとしている。

「さんままつり」で来場者にサンマ振る舞う

東京タワーは今後どうするのか。
東京タワーは今後どうするのか。

   東京タワーは1958年に完成。高さ333メートル、東京のシンボルとして50年以上にわたって親しまれてきた。

   一方で、東京スカイツリーの建設が2008年からスタートし、2011年3月には完成時の高さ634メートルに到達した。現在内装の工事が行われていて2012年5月の営業開始が予定されている。東京タワー、今後はどうするのだろうか。

   実は、東京タワーではここ数年地方自治体との共同イベントを頻繁に行っている。2009年には、岩手県大船渡市と協力して「さんままつり」を開催。三陸海岸にある同市は全国有数のサンマの産地として知られていて、東京タワーの昭和33年開業、333メートルにちなんで3333匹のサンマを炭火焼きにして来場者にふるまった。この企画は翌2010年にも行われている。

   また、2011年6月14日と25日には大阪市が大阪を舞台にした現在公開中の映画「プリンセス・トヨトミ」のタイアップ企画として、ロケ地観光マップなどの配布を東京タワーで予定。千葉県銚子市も、19日にメロンや野菜の即売会を開く。

「観光地」ではなくより身近な存在にしたい

東京タワーの広報担当者は

「お客様も楽しめますし、自治体にも東京タワーの発信力の高さを見ていただいている。色々な方が来場するので、普段アンテナショップに来ない層にもその地方の魅力を伝えることができます」

と語る。来場者はここ数年、年間約300万人で推移。修学旅行やバスツアーなどで地方から来る人も多いが、7割が首都圏から。今後は、より身近に何回も来てもらえるようなタワーにしていきたいという。

「大展望台にあるクラブ333では、毎週水曜日と木曜日に音楽のライブを行っています。東京タワーというと、観光地というイメージがありますが、これからは、ちょっと時間があるからデートで行ってみようとか、身近なイメージを持ってもらえればと思います。東京スカイツリーができてからも、継続してイベントを打ち出して、一緒に東京を盛り上げていきたいですね」

   ちなみに、東京スカイツリーの入場料は3000円(第2展望台)。これに対し東京タワーは大展望台が820円となっているが、これについて東京タワーのオリジナルキャラクター、「ノッポン兄」が6月7日、ツイッターに「820円が妙に安く感じるスカイツリーマジック」と投稿。フォロワーからは「やっぱ東京タワーに行くわ」という反応も寄せられていた。