2024年 4月 20日 (土)

「天声人語」専用ノートが人気 書き写して「認知症予防」や「お受験対策」

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   朝日新聞のコラム「天声人語」を書き写すための専用ノートが人気だ。書き写しを実践する人が多いことを受け企画されたもので、2011年4月末から全国の朝日新聞販売所(ASA)を中心に販売されている。

   ノートはA4判で1冊210円。新聞から切り抜いた天声人語をノートにスクラップし、その下のマス目に内容を書き写す。マス目は天声人語とまったく同じ字数・行数になっている。

学校や企業が100冊単位で購入も

「天声人語」を書き写すノート
「天声人語」を書き写すノート

   天声人語は朝日新聞の1面に毎日掲載されているコラムで、大学などの入学試験に出題されることも多い。ノートの説明には、「毎日続けると、世の中のいろいろなできごとがわかります。知っている言葉がどんどん増えて、文章の構成力やリズムも身につきます」と書き写しの効果が書かれている。

   天声人語はぴったり602文字のため、これを手書きでていねいに書き写すとなれば1日あたり30分ほど時間がかかり、ノート1冊で1か月続けるとなればそれなりの集中力が求められそうだ。

   朝日新聞社の広報担当者によれば、予想をはるかに上回る勢いで売れているという。

「すでに1冊分写し終えて、2冊目を使われている方、遠からず3冊目に入る方も少なくありません。親子など家族で競い合って写したり、学校や企業などが、授業や研修のため、まとめて100冊単位で購入されたりするケースも多いようです」

   購入層は小学生~大学生、母親世代、シニア層が中心で、「学生の方は国語の学習や小論文対策、就職活動などのため、お母さん世代はお子さんの勉強のため、シニア層は老化防止や日課のひとつとして実践されているそうです」。

認知症予防のために17年続けている男性も

   朝日新聞社では2010年に教育事業センターを発足し、その業務上で教育関係者から天声人語の書き写しを実践している人が多いことをよく耳にしたという。

   5月22日付の朝日新聞朝刊には、認知症予防のため日課として「天声人語」を17年間書き写し続けているという77歳男性の投書が掲載された。この人のノートはすでに93冊目という。

   また別の日にも、「2年前に他界した妻が生前、10年以上にわたって天声人語を大学ノートに書き写していた。全部でノートは27冊にもなる。妻は毎晩、就寝前の30分で書き写していた。日記の文章が無駄なく上手になっていくのに驚いた」という投書が寄せられている。

   このようにほとんどの人が市販の大学ノートを利用していたこともあり、「専用のノートがあれば喜ばれるのではないか」と今回のノート作成にいたった。

   個人のブログを見ても評判は良い。5月5日から毎日筆写を続けているという男性は「正直に言うが、大変である」と感想を書き、頭も指も疲れ、いかに漢字を書けなくなっているかを思い知らされるという。約1か月後には2冊目に突入したことを報告し、「実に清々しい気分になれる」と書いている。

   書き写しノートは5月中旬から東急ハンズ池袋店でも機能付ノートなどと並んで販売が開始され、6月中旬からは名古屋店でも販売されている。名古屋店の担当者によれば、発売から10日で60冊、年配者を中心に売れたという。また、朝日新聞によると、今後は全国の東急ハンズでも入手可能になる予定だ。

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