小名浜漁港のカツオ水揚げゼロ 「買い手が付かない」漁師の悲痛

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   例年ならこの時期、カツオ漁で賑わいを見せる福島県いわき市の小名浜漁港だが、カツオの水揚げはゼロ。漁港は全く稼働できない状態が続いている。「風評被害」によって、「福島産」の表示だけで買ってもらえないからだ。

   実は、千葉県や宮城県の漁港に水揚げされているカツオは、小名浜漁港に水揚げしようとしたものと同じ漁場で捕れたもの。福島県の地元漁師は、同じカツオなのに納得がいかないとし、「もしも値が付くなら赤字でも小名浜漁港に水揚げしたい」と訴えているという。

水揚げ予定だったカツオは銚子港などに運ばれた

   まず福島第一原発事故以降に周辺の沿岸漁が停止。30キロ外ならば安全としてカツオ、サンマ、サバなどの漁は解禁された。小名浜漁港はカツオの水揚げでは日本有数。2011年6月21日には茨城県沖200キロの漁場で捕れたカツオの水揚げが予定されていたが、福島産の表示があると買い手が付かない、といった理由から中止された。水揚げ予定だったカツオは千葉県の銚子港などに運ばれた。

   いわき市の水産振興課によれば、いわき市の大気も飲料水も安全なのに、「福島産」という表示が付くことで買い手がいなくなるのは全くの風評被害だと説明する。

   カツオ漁の場合は、高知県から北海道にかけ魚の群れを追って漁船が漁をする。その漁船は各都道府県に登録されているのだが、捕ったカツオを新鮮なうちに届けるため、漁を行った漁場から一番近い漁港に水揚げする。そしてそこが「産地」になる。

「赤字覚悟でも揚げたい」

   7月はカツオの群れが福島県に接近するため、これまでなら小名浜漁港が水揚げの場所になっていた。しかし、「福島県産」の表示では買い手が付かないため、漁船は千葉県や宮城県の漁港に向かってしまうのだという。

   原発事故以降、漁船が小名浜漁港に水揚げすることは全くなくなった。いわき海星高の海洋練習船「福島丸」が7月1日、ハワイ沖での実習を終えマグロなど約九トンを水揚げしたことが明るい話題として報じられたが、いつ小名浜漁港に賑わいが戻るかの目処は全く立っていない。地元の漁師達も危機感を募らせていて、少しずつでも漁港を機能させていかなければいけないとし、

「揚げた魚に値が付くならば、赤字覚悟でも揚げたい」

と申し出ているのだという。

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