「壊して、埋める」鉄道事故処理 中国内で「証拠隠滅」と批判殺到

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   衝突事故を起こした中国の高速鉄道は、事故発生からからわずか1日半後の2011年7月25日朝(現地時間)、運転が再開された。復旧作業中の「事故車両を壊して、埋める」といった対応に「証拠隠滅だ」との声も相次いでいる。中国当局は「作業をしやすくするため」などと釈明しているが、中国国内からも「ナンセンス」「吐き気がする」などと批判が高まっている。

   事故は7月23日20時50分頃起きた。国営新華社通信によると、何らかの理由で停止していた「D3115」号(福建省福州行き)に、「D301」号(同)が追突。追突したD301の車両4両が高架橋から落下した。少なくとも38人が死亡するという大惨事だが、この事故処理をめぐって、批判が相次いでいる。

「まだ、中に人も物もある」と訴える

中国の動画投稿サイトには、解体現場の動画がアップロードされている
中国の動画投稿サイトには、解体現場の動画がアップロードされている

   本来ならば、事故原因究明のために保存されるべき列車が、翌7月24日朝には、早々と解体され、埋められてしまっているのだ。

   中国の動画共有サイトには、その様子を収めた動画が複数アップロードされている。そのうちのひとつでは、少なくともショベルカー5台がかりで、高架の下に落下した車両を転がし、解体する様子がはっきり分かる。別のショベルカーは、深さ4~5メートルの穴を掘っている。見物人が、

「まだ、中に人も物もある」

と訴える場面もあり、救助や遺体収容の作業が十分に完了しないままに解体作業が進んでいる可能性もある。

   この動画のコメント欄には、

「粗暴で、野蛮なことだ」
「不名誉なことだが、せっかちに埋めるべきではない」
「救助活動には動員を惜しむのに、犯罪を埋めるのには積極的なんだな」

と、当局の対応を批判する声があふれている。中には、「何故埋める必要があるのか。説明が必要だろう」と、説明を求める声もある。

   ニューヨークタイムズ紙は、その背景として、

「鉄道省によると、列車には国家レベルの重要な技術が含まれており、盗み取られる可能性があるため、埋めなければならないのだという」

と報じているものの、中国当局は、別の角度から説明している。

   事故から丸1日以上が経った7月24日深夜、鉄道省の王勇平報道官が会見を開いた。だが、これが「大荒れ」となった。香港のフェニックステレビのウェブサイトなどによると、当初は、同日昼に国営新華社通信と中央テレビ(CCTV)の2社のみを対象にブリーフィングを行うことになっていたが、それ以外の社が不満を表明。仕切り直す形で会見が開かれた。

   王報道官は、

「中国の高速鉄道の技術は先進的で、今でも自信がある」

と主張する一方、だが、追突の原因については「事故の調査結果が出てこないと答えられない」と口をつぐんだ。

「すべて茶番。どこに誠実さがあるというのか」

   さらに、肝心の車両を埋めた理由については、

「埋めたいのではなく、埋めるしか方法がない。現場の状況は複雑で、地面は泥沼で、作業が困難だった。また、他の車両への対応も並行して行わなければならない。そのため、先頭車両を埋めて上に土をかぶせて、作業をしやすくした」

と釈明。その上で、

「(現場から)このような説明を受けている。あなた方が信じるかどうかは自由だが、私は信じる」

と言い放った。また、すでに救助作業が終了し車両の解体作業が行われている時に、子ども1人の生存が確認されたことを指摘されると、

「これは生命の奇跡」

と開き直り、報道陣から大ブーイングが上がった。

   会見は30分程度で打ち切られ、王報道官は報道陣にもみくちゃにされながら、逃げるように会場を後にした。

   この会見の動画も、動画共有サイトで公開されている。会見冒頭、王報道官が若干の笑顔に見える表情を見せたこともあって、コメント欄は、

「どうやって信用しろというのか。吐き気がする」
「すべて茶番。どこに誠実さがあるというのか」
「私たちの国家の技術には問題がある。能力もダメで、人もダメで、『安全第一』だという意識もない」

と、当局への嫌悪感に満ちたコメントが多い。

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