2024年 4月 20日 (土)

中井元拉致担当相「私的訪中」ミステリー なぜ韓国語堪能な職員が同行したのか

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   中井洽元拉致問題担当相が、北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使と中国・長春で極秘接触したとされる問題で、中井氏に同行していた政府職員の存在がクローズアップされている。

   政府は「職員は休暇を取って、中井氏の通訳として私的に同行した」と説明しているものの、職員は中国語ではなく韓国語の専門家で、海外渡航のための許可申請も出していないなど、不自然な点が次々に明らかになっている。「二元外交」の疑いは消えず、野党はさらに追及する方針だ。

中井氏の訪中は、故郷への「センチメンタル・ジャーニー」?

   発端は、2011年7月26日の産経新聞に掲載された「首相、訪朝を検討」と題した1面トップの記事だ。記事では、首相の意向を受けた中井氏が7月21日と22日宋大使と極秘接触したなどと指摘している。政府は接触の事実は否定し続けているものの、中井氏は長春を訪問したこと自体は認めている。さらに、同日開かれた自民党の外交部会では、中井氏に拉致問題対策本部事務局の職員が同行していたことも明らかにされた。

   翌7月27日に開かれた衆院外務委員会で、職員をめぐる様々な不自然な点が明らかになっている。中井氏の訪中については、

   「(中井氏は)個人の立場として中国に行かれたものと理解している」(松本剛明外相)

   「我々(拉致)対策本部事務局としては全く関知していない。旧知の間柄なので直接電話で確認したところ、あくまでも(生まれ故郷への)『センチメンタル・ジャーニー』だと言っていた」(中野寛成拉致問題担当相)

と、あくまで私的訪問だとの立場が強調された。

   ちなみに中井氏は1942年に現在の中国吉林省で生まれ、戦後まもなく日本に引き揚げてきたという。

同行職員は外務省から拉致問題対策本部に出向中

   中井氏に同行したのは、外務省から拉致問題対策本部に出向している職員。木村茂樹内閣審議官(拉致被害者等支援担当)は、

「中井元大臣より、生まれ故郷である長春を個人的に訪問することになったので、現地での通訳・案内役を兼ねてついてきてもらえないかという依頼を受け、個人的にこれを引き受けて、休暇取得の上、同行した」

と、やはり私的立場で訪中したと説明。しかし、同時にこの職員の専門は、中国語ではなく韓国語であることも明らかになっている。さらに、帰国直後の7月26日から29日にかけて、韓国に出張しているという。

   木村氏は「韓国語の専門家だが、中国語にも非常に堪能」と釈明したものの、

「(海外渡航の)許可申請は出されていない」
「当該職員の私的旅行ということで、費用は本人がすべて支払った」

とも説明。仮にこの説明が本当であれば、この職員は、有給を取って職場のルールを破ってまで海外渡航し、無償で専門外の通訳を買って出るという、にわかには信じがたい行動に出ていたことなる。さらに、木村氏は、

「現地での北朝鮮当局との接触について、当該職員は、『中井元大臣ご自身が仰っていること以外に、自分が申し上げることはない』と言っている」

と発言。中井氏は北朝鮮当局との接触は否定しているものの、職員自身は北朝鮮当局とのコンタクトについて明言を避けている形だ。

   委員会で質問に経った自民党の小野寺五典議員は、この職員から直接事情聴取することを求めており、外務委員会の理事会で検討されることになっている。

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