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台湾で「売春」解禁の可能性 大陸観光客に配慮し一部都市のみ?

   台湾で2011年11月に売春が合法化され、公認で売春が行われる「赤線地帯」に当たる「ゾーン」を一部自治体が設ける可能性が出てきた。

   台湾では社会秩序保護法で、買春は罰せられずに、もてなす側の売春のみが違法とされてきた。

首都・台北市などは解禁されない見通し

   ところが、台湾の大陪審が2009年に、売春者だけ罰則があるのは、平等原則に反し、憲法違反だと判断。11年11月までの法改正を求めた。これに基づき、台湾の行政院も、失効までの法改正の方針を示し、7月14日には、修正法案を決定。今後は立法院で審議されることになった。

   この法案では、売春を一律に違法としながらも、自治体が指定した特区の中にあるゾーンでは例外的に認めるという内容になっている。

   日本での台湾の窓口機関に当たる台北駐日経済文化代表処によると、主要5都市のうち、首都に当たる北部の台北市など3市が売春合法化に反対。ゾーンを設けない方針を示している。態度を決めていないのは、台北市を囲み人口が最も多い新北市と南部の高雄市だけだ。また、ほかの県市では、9県市が反対し、8県市がまだ態度を決めていない。

学校などから一定距離離れることが条件

   まだ不確定要素が多くはっきりしたことは分からないが、合法化されても、ゾーンが設けられるとすれば、首都などを除く一部都市に限定されそうだ。

   首都の台北市などが反対している背景には、一つは、女性団体などからの根強い反発がある。台湾政府が売春合法化方針を打ち出すと、こうした団体から女性を搾取するものだと反対運動が上がっていた。

   また、大陸からの観光客誘致を公約に掲げた台湾の馬英九総裁の下で、台北市内の売春取り締まりは強化されていた。

   なお、ゾーン設定は、学校などから一定距離が離れていることが条件となっており、公共の場での客引きも禁止されるという。