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B級グルメの「富士宮やきそば」 香港、NYそして世界進出目指す

   B級グルメのチャンピオン「富士宮やきそば」が世界へ進出する。まず、2011年8月11~13日に香港で開かれ、毎年延べ37万人が集まる「香港フード・エキスポ2011」に出品。8月21日には米ニューヨークで開かれるイベント「DAYTOP MADISON AVENUE FESTIVAL」に出店し、本場の味を振舞う。

   NYでのフェスティバルには毎年、世界中から約450店が集まり、料理や商品を販売。約4万5000人が訪れるという。静岡県富士宮市は1日700食分を用意、完売を目指す。

「やきそばが受け入れられるか、確かめたい」

海外展開は「富士宮やきそば」の悲願でもある(写真は「富士宮やきそば学会」のホームページ)
海外展開は「富士宮やきそば」の悲願でもある(写真は「富士宮やきそば学会」のホームページ)

   富士宮やきそばは、フェスティバル内での日本の夏祭りをテーマに行われる「ジャパン・ブロック・フェア」に出店する。やきそばで「富士宮」の地域ブランドを高めるとともに、「日本の元気」をアピールするのが目的。

   富士宮市地域力総合研究機構は、「NYではパスタなどのコシの強い麺をソースに『からめる文化』はあるが、やきそばのように『焼く文化』はめずらしい。これが受け入れられるのか、確かめてみたい」と、抱負を語る。

   出店にあたっては、麺に使われている卵白と着色料のクチナシが米国の輸入規制で持ち込めないことから、地元の製麺所が代替の着色料を用いて作った、新たな「NY用」の麺で臨む。

   やきそばの早食い選手権を実施してギネス記録に申請するイベントで会場を盛り上げるほか、ステージで「富士宮」をPRする企画を検討中だ。

   NYには世界中のB級グルメが集まる。ここ数年、日本からはラーメンやうどん、やきとりなどがどんどん出店。寿司などの高級感のある日本料理とはまた違った、気軽に味わえる新しい「日本の味」が受け入れられている。不況の影響で高級料理店から客足が遠のいている事情もある。

   日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、NY州の日本食レストランは1400軒を数える。海外展開は富士宮やきそばの「悲願」でもあり、今回のフェスティバルの出店を「世界への足がかりにしたい」と意気込む。

香港ではカップ麺と冷凍やきそばを出品

   一方、「香港フード・エキスポ」は地元・香港のほか、中国本土や韓国、オーストラリア、カナダ、イタリアなど60カ国・地域から輸入業者や小売業者、ホテル・レストランなどと、1万2000人超のバイヤーが集結。最終日には一般来場者も訪れる見本市。「香港ではかなり大きなイベント」(香港貿易発展局東京事務所)という。

   富士宮市では、会場で火が使えないことや、香港の人はテイクアウトの食品を好むとの情報で、カップ麺と冷凍食品の富士宮やきそばを出品することになったが、「十分アピールできる」と自信をのぞかせる。

   富士宮市地域力総合研究機構は、「いまは認知度を高めていくしかない。評判を聞いて、他国でもデモンストレーションができるようになって広がっていけば、『富士宮やきそば』にとってもいいし、他のB級グルメにとっても希望がもてると思う」と、期待は膨らむばかりだ。