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大学キャンパスに「禁酒」の嵐 法政大、京都精華大、一橋大など次々と

   大学生たちの「イッキ飲み・イッキ飲ませ」による事故や、飲酒によって大騒ぎするなどの迷惑行為が目立つことから、キャンパス内を禁酒にする大学が増えている。一橋大、京都精華大・・・さらには今年に入って法政大も。

   最近ではツイッターで「飲酒運転」を告白する学生も出るなど各大学は飲酒がらみの指導、対応に追われており、秋の文化祭シーズンに向けてさらに規制が強化されそうだ。

違反者は氏名を学内公開

キャンパスから酒が消えつつある(画像はイメージ)
キャンパスから酒が消えつつある(画像はイメージ)

   法政大は2011年4月から「市ヶ谷キャンパスにおける飲酒ルール」の運用を開始した。

   原則としてキャンパス内での学生の飲酒を禁止。「本学の教職員が同席している企画」と「食堂事業者と契約を結んで行われる企画(指定の申請書提出が必要)」についてのみ、例外的に学内での飲酒を認めている。ルールを定めるに至った背景には、市ヶ谷キャンパスで飲酒にからんだ事件・事故が増え、対応が追いつかなくなったことが挙げられている。

   これに対し、法政大のサークル連合が学生センターに抗議文書を提出。ルール撤廃を要求するビラを作成するなどして話し合いの場を求めているが、法政大広報・公聴課は、「さまざまな主張に十分配慮した運用を行いますが、特定の集団のみと話し合う予定はありません」と厳しい姿勢だ。

   「多くの学生・教職員は今回のルールを冷静に受け止めています。学生・教職員からは飲酒規制の厳格化を強く求める声もあります」とも。

   ルールに違反した場合は、事情聴衆後に反省文の提出を求め、場合によっては「所属学部・保護者への通知」や「違反事実と違反者氏名の学内提示」などを行うが、いまのところ遵守されているという。

事故相次ぎ、「文化祭」でもルール設置

   キャンパス内での飲酒については、国際基督教大や青山学院大など以前から禁止している大学もあるが、最近、各校でルール作りの動きが活発化している。一橋大学では09年1月から「飲酒に関する基本原則」を制定、キャンパス内では原則飲酒を禁止にした。また、京都精華大でも学内飲酒を禁止、11年前期からは必修科目として飲酒に関する教育を行っている。佐賀大学でも11年1月からコンパの届け出を義務付けた。この3大学はそれぞれ、生徒の急性アルコール中毒による死亡事故があり、規制が決まったという。

   秋ごろから各大学で開催される文化祭ではさらにその傾向が強まりそうだ。禁酒や時間制限などのルールを設ける大学が年々増えている。

   ネット上では「酒が飲めない大学祭なんて、潔く止めちまえ」「他大学の規制に横並びすることない」「いちいち大学が実行委員とか出すの?本当ガキ扱いだなw」などと批判的な意見も目立つが、「一気飲みとゲロとゲロ掃除の大学祭」「マナーが良くないからだろ。自分達で首を絞めといてよく言うわ」など、ルール化支持派の意見も多い。

   賛否両論はあるが、大学生の飲酒マナーに対し、大半の大学が危機意識を持って取り組み始めたことは確かなようだ。