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女子ばっかりズルい!? 「メンズデー」導入が盛んに

   「レディースデー」「レディースセット」など、世の中にはなぜ女性限定サービスばかりあるのか。

   そんな不満を感じる男性も多い中、「メンズデー」といった男性限定のサービスに注目が集まり、導入する店がじわじわと増えている。

飲食店、カラオケ、ホテル、スパ、映画館…

   横浜市の「RESTAURANT BAR SMOKE」では、木曜日がレディースデーでドリンク代30%オフだが、火曜日もメンズデーでドリンク代20%オフ。東京・渋谷にある「GEE 渋谷 イタリアンダイニングバー」では、火・木のみ男性にビールまたはサワーをサービスする。

   女性限定の「女子会プラン」に対抗した男性限定の「男子会プラン」も、2011年頭ごろから新しい需要を掘り起こす手段として注目されている。ぐるなび全国版で「男子会」と検索すると、115件の店舗がヒットする。ホテルでも同様の男性限定プランが出てきた。

   カラオケ最大手のシダックス・コミュニティーでは、10年11月から男性の携帯会員を対象に毎週木曜日を「メンズデー」とし、ルーム料金を2時間まで無料にしている。横浜市にあるスパ「SPA EAS」では、毎週月曜日が「メンズDay」として風呂上がりのビールが1杯無料だ。いずれも客層の中心が女性である中、新しい需要を掘り起こすのが狙いだ。

   映画館でも、松竹マルチプレックスシアターズが運営する「MOVIX」では、関東近郊以外で10年以上前から鑑賞料金が1000円になるメンズデーを導入しているという。都心でも「シネマート新宿」「吉祥寺バウスシアター」などがメンズデーを取り入れてきた。「シアターN渋谷」は11年8月から毎週月曜日をメンズデーにしたばかりだ。

男性の4割強が「女性限定サービスは不公平」

   これまで「女性限定」が多かったことについては、中央大学の山田昌弘教授(家族社会学)が10年10月21日の東京新聞夕刊のコラムで、「偏見に基づく一種の差別」と指摘したことが話題になった

   実際に女性限定サービスを「不公平」と感じ、メンズ限定サービスも求めている人はどれくらいいるのか。日経産業地域研究所が男性1000人を対象に実施した調査(2010年10月末)によると、「女性限定割引」サービスについて、「男性が排除されているのは不公平」という回答が41.1%に上った。年収が低く、年齢が若いほどその傾向が強かった。

   女性向け限定サービスについて「男性にも同様のサービスがあれば利用したい」か聞いたところ、例にあげた20種のうちいずれかについて利用意向があると答えたのは65.2%。そのうち上位は「飲食店の女性限定割引」(41.4%)、「映画館のレディースデー」(38.5%)などだった。

   一方、すでに実施されている男性限定サービスの利用意向は、「映画館のメンズデー」が36.6%でもっと多く、「ネット通販のメンズデー」(30.0%)、「男性限定のホテル宿泊プラン」(26.6%)がそれに続いた。

   映画館のメンズデーへの注目が大きいが、必ずしも人気があるわけではないようだ。松竹マルチプレックスシアターズの担当者によると、「平日にメンズデーを設けても会社員はなかなか行きづらく、レディースデーに比べると効果はわずか」で、男性で劇場が埋まるようなことはないという。