2024年 4月 25日 (木)

日本はまだ放射能が怖い 海外楽団員の「来日拒否」なお続く

   原発事故の影響を恐れるなどして、海外からのオーケストラ公演などが中止になったり、楽団員らが来日を拒んだり――。

   東日本大震災から半年が過ぎたが、こんなケースが未だに止まらず、関係者が頭を悩ませている。

楽団員約400人のうち約100人が来日拒否

「合唱メンバーや裏方のスタッフを含め、放射能を恐れて日本に来るのを躊躇している人は非常に多いんですよ」

   ドイツの名門「バイエルン国立歌劇場」の来日公演を主催する日本舞台芸術振興会(NBS)では、広報担当者が、取材に対してこう漏らす。その結果、東京などで2011年9~10月にかけて行う公演では、参加予定だった団員約400人のうち約100人が来日を拒否した。

   ただ、外部から腕利きの演奏家らを招いて欠員を補うため、名門の名に恥ずかしくない舞台になるという。主役級の歌手数人が拒否したという一部報道は誤りで、病気の手術で出演しない1人を除き、すべて来日するとしている。

   ドイツは、原発事故後から現在も、日本への渡航自粛勧告を出している。駐日ドイツ大使館では、一時大阪に退避したほか、9月5日には、放射能を恐れて約10のポストが空席のままだと一部で報じられた。

   本国では、メルケル首相が原発廃止まで打ち出したが、楽団員らの来日拒否は、ドイツに限ったことではない。

   NBSの担当者によれば、6月には、イタリアのバレエダンサーが来日を拒否して代役を立てた。7~8月には、オーストリアやフランスのダンサー数人がキャンセルするなど、例はたくさんあるという。

   もっとも、主催者が来日拒否などは聞いていないというケースもある。9月のイタリア・ボローニャ歌劇場公演や10月のウィーン・フィル公演だ。しかし、事故の影響が出ているのは事実で、5~6月にウィーン少年合唱団が、6月にはドイツのドレスデン・フィルが放射能への懸念から公演を中止している。

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