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長谷川洋三の産業ウォッチ 
三井物産槍田会長の為替論:円高をもっと前向きに活かすことを考えていくべきだ

「円が強いことは悪いことではない。日本経済は円高にしっかりと対応できる体力を身に着けているのではないか。円高をもっと前向きに活かすことを考えていくべきだ」

   日本貿易会会長で三井物産会長の槍田松瑩(うつだ・しょうえい)氏は2011年9月21日、日本貿易会会長の定例会見で、円高の経済界に与える影響について聞かれ、こう答えた。

   国際為替市場はドル安に続いてユーロも欧州債務問題の解決のメドがたたないことから下落が続き、円相場は1ドル=76円台の高水準が続いている。このため輸出依存率の高い自動車産業などでは円高による手取りの目減りが収益を圧迫するとの懸念が出ているが、「購買力平価に換算すれば円高も数%程度で大きな数字ではない」と円高脅威論を戒めた。

   国際通貨基金(IMF)は20日、世界経済見通しを下方修正し、米国とユーロ圏の実質成長率を大幅下方修正したが、槍田会長は欧州経済の先行きにも楽観的だ。TPPについても「勇気をもって国民に決断を迫るべきだ」としている。

長谷川洋三