2024年 4月 19日 (金)

ナベツネ騒動、最大の「ピエロ」は江川か 裏にチラつく「巨人戦」の視聴率事情

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「政治記者」渡辺VS「社会部出身」清武 「育ちの違い」も見え隠れ

   今回の騒動は日本球界特有の出来事の象徴でもある。人事問題をプロの組織としてとらえるか、会社組織としてとらえるか、だ。清武代表の主張は前者であり、渡辺会長の言動は後者といえる。日本の球団は、サラリーマンがプロ選手をコントロールしているから、ときおり親会社・球団・現場の三位一体が崩れる。球団が契約で雇う専門職のGMが現場をすべて仕切る大リーグとは違う。

   これまで「ワンマン渡辺会長の腹ひとつ」といわれてきた巨人の球団運営が事実であったことが明らかになった。いかに独裁政治が行われてきたかが分かった。

   渡辺会長は政治の政局にも顔を出す。「オレは総理大臣を誰にするかの方が大事なんだ。野球のことなどどうでもいい」と発言するなど、野球を見下すこともしばしばだった。その御仁が大臣ではなく、野球のコーチ人事に口を出すのだから苦笑してしまう。腹芸の政界と密接な渡辺会長と、現実そのものと立ち向かってきた社会部出身の清武代表の「育ちの違い」がぶつかった側面もあるだろう。

   江川はかつて野球協約を無視して巨人に入ったいきさつがある。その意味では巨人も江川も腐れ縁でつながっているといっていい。その江川に入閣の要請がされていたことはさもありなんという感じがする。

   清武代表は「コーチにはプライドもあるし、生活もある」と言った。現場のコーチや選手にとっては、自分たちを守ってくれた代表に感謝していることだろう。それも涙を流しながら訴えたのだから感動ものだ。

   とんだピエロ役は江川だった。清武代表が会見した日に「正式な話はない」としたうえで「そういう状況ではないでしょう」と、コーチ就任を断る旨のコメント。そして「迷惑がかかる」とも。騒動の騒ぎの中でもっとも冷静だった。この状況判断の良さこそ試合進行に必要なのである。それにしても江川が絡むとトラブルになる。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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