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巨人、「反乱」清武代表を解任 「ナベツネ氏と刺し違い」要求?

   プロ野球巨人は、球団会長のナベツネこと渡辺恒雄氏を批判する会見を開いた清武英利・球団代表兼GMの解任を発表した。2011年11月18日、桃井恒和オーナー兼球団社長が会見し、明らかにした。

   桃井氏によると、解任理由は、社内手続きを経ずに独断で会見を開き、球団や社会を混乱させ、信頼失墜を招いたことや、球団の人事構想など秘密の暴露を行ったことなど。「(清武氏が)自らの地位に不当な要求をした」とも指摘した。

長嶋終身名誉監督「あまりにひどい」

どうなる巨人軍。
どうなる巨人軍。

   清武氏による「地位要求」とは、2011年内に清武氏が取締役を辞任するのと引き替えに、渡辺球団会長を辞任させ、その上で12年1月に清武氏を球団の常勤監査役に就任させてほしい、との内容だったという。桃井氏に対し、清武氏が11日の「反乱会見」後に「事態収拾」の条件として示してきたそうだ。

   清武氏は、球団で代表やGM(ゼネラル・マネジャー)のほか、専務取締役なども兼任していたが、球団は今回、緊急役員会を開き、取締役としても解任した。

   桃井氏は解任会見の中で、長嶋茂雄・終身名誉監督の言葉だとして「清武氏の言動はあまりにひどい。長い巨人の歴史の中でこんなことはなかった」とのコメントを紹介した。

   清武氏は11月11日、「コンプライアンス(法令順守)上の重大な件」について会見すると予告し、涙ながらにナベツネ氏の「不当人事介入」などについて批判を展開していた。

「再反論」も解任理由

   清武氏の「ナベツネ氏の強権」に対する批判に対し、インターネット上では賛同の声も上がる一方、清武氏の手法について「組織内で解決すべき話を世間にさらしただけ」と厳しい指摘も出ていた。

   ナベツネ氏は翌12日、清武氏の指摘は「名誉毀損」で、会社法上の取締役の忠実義務違反だとも指摘する反論文を発表した。

   一方、清武氏は同じ12日、「再反論」文を出し、謝罪どころかナベツネ氏批判を繰り返した。桃井氏は18日の会見の際、この再反論文発表も解任理由のひとつだと説明した。

    一連の巨人内の混乱には厳しい視線が注がれている。例えば日刊スポーツ(11月16日付)は、1面の見だしで「巨人軍はどこか壊れている」と指摘した。

   今回の解任で事態は収拾へ向かうのだろうか、それとも新たな混乱が始まるのか。清武氏が解任に対し、どういう姿勢を示すかも注目される。