投資信託の「失速」 株価低迷で魅力が薄れる

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   個人投資家に根強い人気を誇ってきた投資信託からの資金流出が起きている。世界的な株価低迷で、商品としての魅力が薄れてきたことが大きい。ここへきて金融庁が「通貨選択型」と呼ばれる比較的リスクの高い投信について、規制を強化する動きも出ており、さらなる投信市場の縮小につながる可能性もある。国内証券各社は投信を個人向け部門の収益の柱としてきただけに、経営へのダメージも大きそうだ。

   投資信託協会が発表した2011年11月の「投資信託概況」によると、「株式投信」の投資家の新規購入額は1兆4032億円(前月比542億円増)の一方、解約額は1兆6585億円(同2250億円増)、償還額は184億 円だった。

10、11月と2カ月連続資金流出

   この結果、新規購入額から解約・償還を差し引いた資金流出入額は2737億円の流出超になった。10月の997億円に続く2カ月連続の流出超で、1カ月の資金流出額としては、リーマン・ショック直後の2008年10月の3627億円以来となる高水準となった。

   欧州債務危機の影響で投信を構成する株式の価格低迷などから解約が膨らんだほか、パフォーマンスが回復するのを待ちたい投資家が様子見ムードで新規購入額が減っていることが要因だ。

   今年の株式投信は東日本大震災直後の4月に766億円の流出超となったものの5月に9208億円、6月に7295億円の流入超となるなど、むしろ資金が流入する傾向にあった。しかし夏場以降の世界連鎖株安による投信のパフォーマンス悪化を嫌気した投資家の解約が増え、9月に資金流入額が前月比95% 減の369億円に急減した後、10、11月の2カ月連続資金流出を招いた。新規購入額は11月に前月比4%ほど増加したとはいえ、8月まで月2兆円前後だったことを思えば低水準にとどまっている。

「ブラジル投信」の運用成績が悪化

   さらに投信市場に影響を与えそうなのは金融庁の新たな規制。問題の発端はブラジルの通貨や株、債券による投資信託の運用成績の悪化。「ブラジル投信」の多くは、12.5%もの高金利(2011年8月時点)で人気だったブラジルの通貨レアルで運用できる商品で、個 人投資家の資金が集まった。しかし、欧州危機の影響もあってブラジル経済は7~9月に前期比実質0.04%減とわずかながら2年半ぶりのマイナス成長に陥り、ブラジル中銀が利下げに転じた。

   このためレアル急落を招き、ブラジル投信の運用も悪化。個人投資家の苦情が相次いため、金融庁は運用通貨を選べる「通貨選択型」と呼ばれる投信を販売する際、為替差損を理解しているかどうか書面で確認するなど慎重に対応するよう、2012年初めにも求める。人気だった「通貨選択型」の規制が「販売減の効果があるのは間違いない」(証券大手)。

   国内証券各社は法人部門の不振を個人部門の利益で何とか補おうとして補えず最終(当期)赤字に陥っているのが実状だ。個人部門の利益の柱である投信の失速は、証券会社の経営にさらなるダメージを与えずには置かないと見られている。

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