オリンパスやソニーも導入していた 社外取締役はホントに「監視」できるのか

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   企業の不正防止や経営の透明性を高めることを狙いに、大手企業に導入が義務づけされようとしている「社外取締役」。オリンパスや大王製紙で経営トップの不祥事が相次いだことから注目を集めているが、日本取締役協会の調べではすでに東証第1部に上場する企業の51%が導入している(2011年7月末)。

   社外取締役には、親会社や取引先など利害関係がない人が「監視役」として就いているはずだが、きちんと役に立っているのだろうか――。

本音は「株価上昇」の呼び水?

   日本取締役協会の「上場企業のコーポレート・ガバナンス(企業統治)調査2011」によると、東証第1部に上場する企業にいる社外取締役の総数は1668人。1社あたり平均2人で、調査では社外取締役の望ましい人数を「2人以上」としている。

   ほぼ半数の上場企業が社外取締役を導入している状況について、同協会は「2004年が30%程度だったので、かなり増えた印象はあります」と話す。

   ちなみに、欧米では上場企業の経営監視や不正防止の観点から、過半数を社外取締役にするルールがある。企業統治の高さでは定評のあるソニーは2003年から社外取締役を導入。11年6月時点では15人の取締役のうち、ハワード・ストリンガー会長兼社長と中鉢良治副会長を除く13人が社外取締役というから、さすがはグローバル企業だ。

   また、粉飾決算で信頼を失ったオリンパスもすでに社外取締役を導入していて、現経営陣にも元証券会社、元新聞社、元大学病院出身の3人が社外取締役を務めている。

   企業が社外取締役を導入する理由は、コーポレート・ガバナンスの強化にある。ただ、その背景には「海外の目」があるようだ。

   低迷する日本株が上昇するためには、海外投資家の市場への「参加」は欠かせない。経営の透明性は海外投資家の重視する項目の一つだ。「海外の資金を呼び込むためには、透明性の高いガバナンスが求められます」と、日本取締役協会は指摘する。

   また、積極的に海外展開する日本企業が増えてきたが、「そこでもコーポレート・ガバナンスは重視されています」という。

   東証も、2009年12月に「独立役員(取締役)」(社外監査役を含む)を1人置くよう、上場規定に盛り込んでいる。企業統治の強化が目的ではあるが、外国投資を呼び込む狙いもある。東証では「現在、独立役員のいない上場企業はありません」と話している。

任期が長くなれば、社外取締役も「甘くなる」

   一方、社外取締役は誰でもよいわけではないものの、現行の会社法では取締役を社外から起用することを義務づけていないし、親会社や取引先など利害関係がある人を起用することを禁じてもいない。

   たとえば、取引銀行の役員経験者などが社外取締役を務めているケースは少なからず見られる。ただ、狙いどおりに企業の不正防止や経営の透明性に役立っているかといえば、必ずしもそうでないことはオリンパスの例からもわかる。

   立石泰則氏の著書「さよなら!僕らのソニー」によると、13人の社外取締役はエレクトロニクス事業に携わった経験がない、商社やコンサルタント、銀行出身者という。しかし、富士ゼロックスの小林陽太郎元会長やトヨタ自動車の張富士夫会長をはじめ、いずれも優秀な経営者であることには違いない。

   そんな社外取締役でも、社内の勢力争いに巻き込まれ、社外取締役の任期が6年から10年に延長されたことには反対しなかった。任期が長くなれば、経営者らとの関係も甘くなるリスクがあるのに、だ。

   企業内で機能の実効性を担保するのは、なかなか難しいようだ。

   粉飾決算で信頼を失ったオリンパスが2月27日に発表した新経営陣では、11人の取締役のうち6人を社外取締役に据え、生え抜きは新社長の笹宏行氏(現執行役員)を含めわずか3人にした。これまで以上に大幅に社外取締役を増やしたわけだが、再生に向け、十分なチェックができるかどうかが試される。

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