「放射能で外遊びできない」 室内イベントで園児のストレス軽減【福島・郡山発】

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「放射能のため、外遊びができたのは、震災後5回だけです」

たちばな幼稚園の子どもたちは絵本『地雷ではなく花をください』を熱心に聞いてくれました。左は難民を助ける会の伊藤美洋(2012年2月23日 福島県郡山市)
たちばな幼稚園の子どもたちは絵本『地雷ではなく花をください』を熱心に聞いてくれました。左は難民を助ける会の伊藤美洋(2012年2月23日 福島県郡山市)

   2012年2月23日、難民を助ける会は福島県郡山市のたちばな幼稚園を訪れ、絵本『地雷ではなく花をください』の読み聞かせと、「まごころキャンペーン」で集まった応援メッセージつきのチャリティチョコレート90個、そして全国から寄せられた手作りトートバッグ90枚をお届けしました。


   たちばな幼稚園には、東日本大震災以前は100名の園児が在籍していましたが、震災後30名が県外へ避難。一方、原発避難区域である川内村、富岡町、浪江町、南相馬市から15名が転入しました。とはいえ郡山市には放射線量が高い地域もあります。谷津裕子園長は、「敷地内の3ヵ所に線量計を取り付け、最高値が毎時0.5マイクロシーベルト以下のときのみ子どもを戸外で遊ばせていますが、震災後、これまで外遊びができたのは5回だけです。園庭は除染処理を行い、砂場の砂もすべて入れ替え、放射性物質を拾いやすいヒバの木は切るなど、自分たちでできる限りの処理は行っているのですが…」と語ってくれました。

   そうした中、子どもたちのストレスを少しでも軽くするため、室内でも子どもたちが楽しめるイベントを作ってあげたいと、谷津園長が難民を助ける会にご相談くださいました。

「子どもたちの目の輝きが、いつもと違いました」

   イベント当日幼稚園を訪れると、年少から年長までの子どもたちがホールの床にきちんと並んで座って待っていてくれました。読み聞かせをした『地雷ではなく花をください』は、難民を助ける会が企画・刊行した絵本です。地雷が埋まる世界の国々やその被害者について説明する内容で、幼稚園児には少し難しいかと思われました。しかし実際に読み始めるとみんなとても熱心に聞いてくれました。合間には「ぼくも、がいこくにいったことあるよ」「わたし、うさぎのサニーちゃん、しってるよ」などと言い合いながら、最後まで真剣に耳を傾けていました。

   その後、絵本の主人公、うさぎのサニーちゃんの着ぐるみが登場するや、子どもたちは大喜び。先生の指示に従い順番に並んでチョコレートをサニーちゃんから受け取ると、一人ひとり「ありがとう」とお礼を言って、サニーちゃんと握手をしたりタッチをしたり、抱き合う姿がとても愛らしかったです。また、サニーちゃんのぬいぐるみストラップをつけた手作りトートバッグも、子どもたちは大事に持って帰ってくれました。谷津園長も、「今回のイベントでは、子どもたちの目の輝きがいつもと違って本当に嬉しそうでした。チョコレートや手作りバッグに添えられた皆さんからの応援メッセージにも感謝しています」と喜んでくださいました。

着ぐるみサニーちゃんから応援メッセージつきのチャリティチョコレートを受け取り、手と手を合わせて「タッチ」
着ぐるみサニーちゃんから応援メッセージつきのチャリティ
チョコレートを受け取り、手と手を合わせて「タッチ」
全国から集まった手作りトートバッグを手に。バッグに付いたサニーちゃんのぬいぐるみストラップで友達同士遊ぶ姿も
全国から集まった手作りトートバッグを手に。バッグに
付いたサニーちゃんのぬいぐるみストラップで友達同士遊ぶ姿も

放射能、夫の失業、子どもの健康…悩みは尽きず

園児も保護者も常に携帯している線量計。これを外しておもいっきり外で遊べたら…
園児も保護者も常に携帯している線量計。これを外しておもいっきり外で遊べたら…

   イベントの後、お迎えに来られた園児の保護者お二人とお話ができました。どちらも原発避難区域から数ヵ所を転々とした上で、郡山の借り上げ住宅にお住まいです。浪江町ご出身の女性(6歳と4歳男児の母親)は、「以前は家族3世代10人で暮らしていたのに今はバラバラ。主人は福島の原子力発電所での仕事を辞めたものの再就職先が見つかりません。祖父母の健康も心配なのに、今はなかなか会いにも行けない。もっと孫の顔を見せてあげたいのに…」など、たくさんの不安を抱えておられました。

   川内村ご出身の女性(5歳と1歳半女児の母親)のご主人は、今も福島第一原発三号機の事故処理作業に従事しておられます。「主人と会えるのは2週間に1回だけ。避難してから子どもたちの泣く回数が増えました。祖父母は津波からは逃れたものの、避難先の老人ホームで亡くなりました。借り上げ住宅には入れましたが、近所付き合いがないため誰とも話さない日もあり、情報が入らずとても困っています。下の子を預けて働こうにも預け先がないのです。子どもを外で遊ばせたいのに放射能の問題でそれもできません。長女の自転車の練習も震災後は一回もできていないので、うちの子は乗れないまま大きくなってしまうのかしら…。」と、悩みは尽きません。

   それでも手作りトートバッグや直筆メッセージつきチョコレートには表情も和らぎ、「手作りや手書きのものをおくってくださる、その気持ちがありがたいです」と喜んでくださいました。


   震災からもうすぐ1年。難民を助ける会は福島県での支援活動を継続すると同時に、ご支援くださる方々と、被災地の方々の心をつなぐ活動を引き続き行ってまいります。

(難民を助ける会 東京事務局 伊藤美洋)


「サニーちゃんは、どうやって来たの?」「たんぽぽの綿毛でできた気球に乗って来たんだよ。みんなへ届けるチョコレートもどっさり積んできたよ」「やったー!」受け取ったチョコレートと応援メッセージを大事そうに抱えて
「サニーちゃんは、どうやって来たの?」「たんぽぽの綿毛でできた気球に乗って
来たんだよ。みんなへ届けるチョコレートもどっさり積んできたよ」「やったー!」
受け取ったチョコレートと応援メッセージを大事そうに抱えて


認定NPO法人 難民を助ける会
1979年、インドシナ難民を支援するために、政治・思想・宗教に偏らない市民団体として日本で設立された国際NGOです。
2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、地震発生当日より活動を開始。宮城県仙台市と岩手県盛岡市に事務所を構え、緊急・復興支援を行っています。
活動にあたっては、特に支援から取り残されがちな障害者や高齢者、在宅避難者、離島の住民などを重点的に支援しています。食料や家電などの物資の配布、炊き出し、医師と看護師による巡回診療など、多面的な活動を続けています。
■ホームページ http://www.aarjapan.gr.jp
■ツイッター  http://twitter.com/aarjapan

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