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オセロ中島騒動、「被害者」はどっちだ 「洗脳」ではなく「共依存」説も

   「オセロ」中島知子さんの「洗脳騒動」がまだ続いている。「『洗脳』したのは(被害者とされている)中島さんの方だ」といった関係者証言も報じられている。

   一方、今回の騒動について、「洗脳ではなくマインドコントロールだ」という指摘や、「洗脳でもマインドコントロールでもない」と解説する専門家もいる。

マインドコントロールしたのは中島?

   占い師いとこが反論「『洗脳』したのは中島」――サンケイスポーツ(ネット版)は2012年3月23日、中島さんと同居していた占い師とみられる女性を「姉」と呼ぶいとこの男性が取材に応じた様子について、こう見出しをつけて報じた。ほかのスポーツ紙も同様の記事を流している。

   サンスポ記事などによると、男性は「マインドコントロールしたのは中島のほう」と主張した。むしろ「姉」の方が、中島さんから「今日はコーヒーを飲みなさい」などのメモを渡され「命令されていた」。

   さらに、「中島を引っ張り出して来てください」「どっちが本当のことを言ってるか分からせますよ」と、中島さんを提訴することも検討する考えを示したという。

   中島さんは2月末、都内の自宅マンションから事務所関係者らによって連れ出され、親族と合流した。スポーツ紙などは「救出された」と報じた。テレビのワイドショーを含め、「中島さんはマインドコントロールされた被害者」という構図の伝え方が従来から多かった。

   今回の「占い師」側男性の発言は、「中島さん被害者説」に真っ向から反対するものだ。ほかの「占い師」側女性も数日前、中島さんから「部屋は出ないでください」と言われていた、などと取材に答え、マスコミの報道ぶりを批判している。

「洗脳」と「マインドコントロール」は違う

   「中島さん被害者説」については、オウム事件などに詳しい有田芳生参院議員(民主党)も唱えていた。2月27日、自身のブログで、中島さんが「自称霊能者」にどんな相談をしていたのかを詳しく知っているとした上で、「中島さんがマインドコントロールされていることは明らかである」と指摘していた。

   また、「洗脳」と「マインドコントロール」は違う、とも強調している。

   一方、中島さんの当時の状態について、洗脳でもマインドコントロールでもない、と指摘する声もある。

   「スピリチュアル・カウンセラー」として著名な江原啓之氏は、週刊誌「女性自身」(3月13日発売号)で、

「中島さんはマインドコントロールをされているとは言えません。正しい言い方をすると『共依存』でしょう」

として、

「厳しいことを言うようですが、信じたほうの責任とも向き合わなくてはなりません」

と指摘している。

「実態からずれていく危険性」

   また、宗教学者の島田裕巳氏は2月26日、言論サイト「アゴラ」に寄稿し、中島さん問題について、

「これをカルトやマインドコントロールの問題としてとらえるのは、実態からずれていく危険性がある」

と指摘した。「周囲も、いったん洗脳やマインドコントロールということばを使わずに事態を分析する必要があるだろう」とも促している。

   もっとも、「(中島さんが)マインドコントロールされているにしても」とことわり、中島さん側の「都合や理由」を解決しないと状況は改善しないとの考えも示している。

   また、「洗脳」には、暴力的手段を用いるイメージがあり、「長期にわたって物理的に拘束するわけではない」カルト宗教問題では、「マインドコントロール」という言葉が使われるようになったと説明。どちらの言葉も概念として曖昧さを含んでいるとして、

「マインドコントロールと教育はどこで違うのか、それを説明することが難しい」

とも述べている。

   3月22日には、京都市内の中島さんの実家前で、中島さんの母親が報道陣に姿をみせたが、取材には応じなかった。中島さんが会見を開き、マンション同居生活の状態について語る日は来るのだろうか。