東電の「電気料金値上げ」難航 企業のPPS利用増えるが、「割高」の恐れも

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   東京電力の電気料金が2012年4月から値上げされるのを前に、特定規模電気事業者(PPS=Power Producer and Supplier)を利用しようという企業や自治体などが増えている。

   そうしたなか、PPSとの契約が成立しなかった企業などが、東電と改めて契約を結ぶ場合には、今回の値上げ幅の平均17%を上回り、現行の電気料金よりも20%程度割高になるという。

「電気最終保障約款」を楯に、契約迫る?

電気料金の4月値上げに難航する東電(写真は、東電本社ビル)
電気料金の4月値上げに難航する東電(写真は、東電本社ビル)

   東電の値上げの対象となる契約電力が50キロワット以上の工場や事務所など約23万7000件のうち、値上げに合意した契約者は1万1050社(全体の4.7%)。契約更新日までは現行の電気料金が継続できるが、契約満了後の値上げに合意した契約者をあわせても約3万件(同13%)にしかならない。じつに87%が値上げを拒否していることになる。

   値上げに納得できずに料金が不払いとなった場合、東電には検針日翌日から50日で電力の供給をストップできるルールはあるが、「不払いだからといって、すぐに(電気を)止めるということはしません」と話す。

   ただ、「契約を更新していただけないと、契約がない状態になりますので、それは困ります。粘り強く交渉を続けていきます」と続ける。その交渉しだいで、東電は「PPSを紹介することもある」というのだ。

   あわせて、東電は「電気最終保障約款」を「楯」に、大口契約者がPPSとの契約が成立せずに再契約となった場合、この約款にそって電気料金を徴収する考えを示した。

   最終保障とは、大口契約者がどのPPSとも交渉が成立しなかった場合に、その契約者に対して最終的に電力会社が電気を融通することになる状態をいう。

   再契約となった場合には、今回の電気料金の値上げ幅の平均17%を上回り、20%程度割高になるというのだ。

   「最後のご判断は、契約者にしていただきます」と、東電は語る。

電気料金の削減はPPSでも厳しいのか

   一方、PPSは東京電力や関西電力などの一般電気事業者(電力会社)以外で、新たに電力を小売りしたり買い取ったりして電力を供給する事業者をいう。資源エネルギー庁によると、ダイヤモンドパワーやエネサーブ、JX日鉱日石エネルギーなど、PPSは2012年3月現在で52社の登録があり、26社が電力を供給している。

   とはいえ、販売電力量に占めるPPSのシェアは、まだ3.5%程度に過ぎない。

   あるPPSは、「契約件数は毎月順調に伸びていますし、4月に向けて問い合わせも増えています」と話す。また東電の電気料金の値上げ発表以降、「問い合わせ件数だけで2、3倍は増えた」というPPSもある。

   ただ、「紹介」されるPPS側も、「現状の利用者で電力供給はかなりいっぱい」で、手放しで「歓迎」というわけではなさそう。前出のPPSは、「供給量にもよりますし、あと何社と契約できるかは即答できません。採算性などを見ながら契約していくことになります」と話す。

   静岡県は2012年度、東電管内の4総合庁舎で使う電力を、PPSのF‐Powerから調達することを、3月26日に決めた。11年度に、東電よりも4か所で約400万円(入札価格ベース)が削減できたことや、「電力の需給バランスがひっ迫していたので実施した」と話している。

   PPSの利用は初めてではないが、県管財課は「(東電の)値上げは予測できたし、4つの施設をまとめたほうがPPS側が入札しやすいと考えた」と、入札してもらうのもひと苦労のようす。

   さらには、「契約価格が上昇して、12年度の削減見込みは70万円程度になった」と大幅ダウン。PPSを利用しても、電力コストの状況は厳しいようだ。

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