iPhone欲しさに腎臓を売る 闇の臓器売買絶えない中国

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   中国で外科医が、男子高校生の腎臓を不法に売買して起訴された。高校生は、米アップルのスマートフォン「アイフォーン(iPhone)」やタブレット型端末「iPad」の購入資金を工面するために腎臓を売ったのだという。

   法で禁じられているにもかかわらず、臓器売買の「ヤミ取引」は今も中国で後を絶たない。

2007年以降は外国人の臓器移植を原則禁止

iPhoneとiPadは中国で大ヒット
iPhoneとiPadは中国で大ヒット

   「事件」は2011年6月、中国の「上海日報」(電子版)などが報じた。中国・安徽省に住む当時17歳の高校生が、「iPad2」や「iPhone」の購入資金が足りなかったことから自身の腎臓のひとつを2万元(約25万8800円)で売ったのだ。インターネットを通じて知り合った臓器売買ブローカーを利用したのだという。手術は4月に湖南省で行われたが、高校生の両親は事前に知らされていなかった。高校生の帰宅後、母親が異変に気づいて警察に通報したものの、ブローカーとは連絡がつかなくなっていた。手術後、高校生は健康状態が悪化している模様だ。

   臓器売買ブローカーや摘出手術にかかわった外科医ら5人は、その後逮捕、2012年4月7日までに起訴されたと中国国営の新華社通信が伝えた。取り出した腎臓は、必要としている患者への移植手術に使われ、医師らは謝礼として22万元(約285万円)を手にしていたという。腎臓を提供した高校生には、その10分の1しか渡らなかった計算だ。

   ツイッターを見ると、今回の腎臓売買に関する中国語の投稿がみられる。「信じられない」「この社会問題をどうすればいいのか」「たった2万元なんて、安いにもほどがある」と、不法な取引を批判する。

   中国では2007年以降、外国人への臓器移植は原則禁止とされている。だがその後も、法を破っての外国人への移植手術と、それに伴う不正な臓器売買の実態が報道されることは少なくない。2011年1月9日付の産経新聞では、年間1万例以上の臓器移植がいまだに行われている点を指摘。「腎臓移植にかかる費用は、総額で800万~1200万円」との具体的な証言もある。臓器提供の9割は死刑囚で、移植手術の件数が多いわりにはその流れが不透明ともした。

   一方、中国衛生省の黄潔夫次官は2012年3月22日、臓器提供者を死刑囚に依存している現状の改革を表明。死亡した一般人の臓器を提供できるシステムの構築を進めるとした。

借金返済、交際女性の「中絶手術費用」で臓器「提供」

   だが、問題は簡単に解決するかどうか疑問だ。「上海日報」は2012年3月27日の記事で、毎年100万人余りの患者が早期の腎臓移植を求めている一方、貧しい「ドナー」が金銭と引き換えに腎臓の売買に応じていると指摘した。記事では、32歳の安徽省出身の人物が2万元で腎臓を売り、借金の返済や携帯電話の購入にあてた事例を紹介。ほかにも河南省出身の男性は、交際中の女性の「中絶手術」費用をねん出するためとして腎臓を3000元で提供。また広西チワン族自治区から来た男性の場合は、自分を育ててくれた祖父に「臨時収入」を渡したいとして腎臓を売ろうと考えていると明かしたという。

   今回、高校生が腎臓を売買するきっかけとなったiPhoneやiPadは今、中国で大ブームだ。ニセの端末が出回るだけでなく、アップルの直営店を丸ごと真似した店舗まで登場する始末。2012年1月13日に「iPhone 4S」が発売されると、北京にある販売店のひとつでは、店に並んでいた購入希望者の間で小競り合いが起き、警察まで出動してその日の発売が中止する騒動に発展している。

   価格を見ると、モデルによって違いはあるがiPhone4Sでは5000元(約6万4700円)、iPad2も3000元(約3万8800円)前後と、決して安い金額とはいえない。流行の最先端ともいえるこれらのデジタル機器を欲しがる高校生につけこむ輩が絶えないということらしい。

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