「意識がなかったとは思えない動き」 祇園事故、殺人容疑で家宅捜索へ

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   京都市東山区の祇園で2012年4月12日に軽ワゴン車が暴走した事故は、運転していた藤崎晋吾容疑者(30)を含む8人が死亡する惨事となった。藤崎容疑者は同市内の藍染め製品販売会社に勤めており、取引先に製品を配達している途中だったという。

   藤崎容疑者はてんかんの症状で通院していたことが家族の証言でわかっているが、「事故時に発作を起こしているようには見えなかった」という目撃者の証言もある。京都府警は事故の重大さから、自動車運転過失致死傷ではなく殺人容疑で、4月13日16時ころから藤崎容疑者の自宅や勤務先を家宅捜索している。

「待てコラーと言われた瞬間、すごい勢いで逃げた」

   4月12日13時10分ころ、大和大路通を暴走してきた軽ワゴン車が四条通の信号を渡る歩行者の列に突っ込んだ。この事故で歩行者のうち7人が死亡、11人がケガをしたほか、藤崎容疑者も死亡した。

   13日放送のフジテレビ系「めざましテレビ」では、事故の検証を行っている。それによると車は大和大路通を走行中タクシーと衝突したが、停止せずに交差点で赤信号を無視、横断中の歩行者をはねた。その後もスピードをゆるめず、最後は電柱に激突して止まった。最初の衝突から停車までにおよそ300メートル走行したという。

   藤崎容疑者の家族は取材に対し、本人にてんかんの持病があったことを明かした。

「運転中にてんかんを起こしてしまうことがやっぱり一番怖かったんですね。転職なり、会社に理由を話して、運転せずに販売員として働けないかとちょうどこの3日間ずっと家族で話し合いしていたところだった」

   また、本人が通っていた病院は「本人にも、家族にも車に乗ることはだめだとはっきり伝えていた」としている。しかし、勤務先の社長は持病があったことを把握していなかったとし、「車好きで、家でも乗っていると言っていた。時々横に乗ったが、運転も上手だった」と話した。

   ここまで聞くとてんかんの発作が事故の原因なのではないかと思われるが、そうとは言い切れない面もあるようだ。番組ではいくつかの目撃者の証言も放送した。

「両手で力強くハンドルを握っていて、(タクシーと)ぶつかった時に目が血走っているというか…タクシーの運転手がすぐ出てきて『待てコラー』と怒った瞬間、すごい勢いでちょっとした隙間を思い切りまっすぐ逃げた」
「運転を見ている限り、発作が起きて意識がなくなってとか体が硬直してというような動きとは100%違いましたね。障害物もきっちりかわしていたので」

てんかん学教授「単なる発作では300mは走れない」

   事故がてんかんの発作によって引き起こされたものなのか、別の理由だったのかはまだわからないが、インターネット上では「てんかん持ってる人は発作起きてなくても運転はしちゃいけないと思う」「何人も死んで『ごめん病気だから次は気を付けます』では済まないよね」など、てんかん患者は運転すべきでないという意見も多く出ている。

   あるてんかん患者のブログでは、抗てんかん薬を服用することによって多くの患者が発作を抑えられる、てんかんの発作には泡を吹いて倒れるような大きなものから少しぼんやりする程度の小さなものまであるとしたうえで、祇園の事故はてんかん発作が原因だったと断定される前に病名を報道してよいのか、原因がはっきりしないままだとてんかん患者への憎悪が残りさらに生きにくい社会になる、ということを訴えている。

   また、東北大学てんかん学分野の中里信和教授はツイッターで、「ある種の激しい精神状態になることは,さまざまな疾患で起こりうる.てんかんが一因の場合もあるのだが,極めて稀で特殊であることを知っておいて欲しい」「単なる発作の意識減損で300mは走れない。てんかんの4文字で一般化しないこと」と、てんかん患者への風当たりが強くなっている現状に危機感を示している。

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