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自民小泉進次郎どこまでやるか 「郵政」「審議拒否」と相次ぎ「造反」

   自民党の小泉進次郎青年局長(31)が、党執行部方針に「造反」を続けている。郵政民営化法改正案に衆院本会議で反対し、全面審議拒否方針を講演で批判した。

   自民党や政界の希望を担う「『青い鳥』の有力候補」(週刊文春)との指摘も出る中、小泉衆院議員の相次ぐ「造反」は、独自色を模索する動きなのか。自民党総裁選まで半年を切り、政界再編のうわさも絶えない。

「(党執行部からの)注意の中にも温かみが」

小泉進次郞議員は「政界の青い鳥」なのか。
小泉進次郎議員は「政界の青い鳥」なのか。

   小泉議員は2012年4月21日、名古屋市の講演で、田中直紀防衛相ら2閣僚に対する問責決議を受けた党執行部の全面審議拒否方針について、

   「国民は建設的な野党自民党の姿を期待したはずだ」「『審議拒否拒否作戦』くらいやった方がいい」

と反発する姿勢を示した。

   小泉議員が4月12日に衆院本会議で郵政民営化法改正案に反対した際は、党から「口頭で厳重注意」を受けたが、萎縮はしていないようだ。

   自民党で反対したのは、小泉純一郎元総理の下で郵政改革を進めた中川秀直元幹事長らわずか3人だった(ほかに棄権1人)。進次郞議員が元首相の次男だとはいえ、「たった3人の造反」に加わるのは、それなりの覚悟が必要だったとみられる。

   小泉議員は、国会内である「ぶら下がり取材」やちょっとした雑談には答えるが、メディアの個別インタビューには応じない方針を貫いており、「露出」を抑えている。4月23日に小泉議員事務所に確認したところ、方針は変わっていないとのことだった。

   ブログで情報発信も続けているが、内容は淡々とした活動報告が多い。4月12日の「造反」と「注意処分」についても、12日夜のブログで「採決で、私は反対をしました」「口頭での厳重注意を受けました。ご報告まで」と書いただけで、実にあっさりしている。前後のブログを読んでも、執行部批判は見あたらない。

   厳重注意を受けた後のぶら下がり取材に対しては、「注意の中にも何とも言えない温かみがありました」と、執行部を持ち上げる余裕もみせていた。

姿勢が「謙虚だ」と自民党内で好評

   こうした姿勢が「謙虚だ」と自民党内で好評のようだ。

   週刊文春(4月26日号)は、テレビ中継が入り注目度が高い予算委員会で質問するチャンスが小泉議員に回ってくると、「私でいいんですか。先輩でやりたい人はいませんか」と必ず聞き、先輩議員に譲る姿勢を示すエピソードを紹介し、「当選回数、年齢が上の議員をしびれさせる」と指摘している。

   文春記事は、時事通信の田崎史郎解説委員が、定期的に小泉議員に会った際に交わした会話などを基にまとめたものだ。田崎氏もかつて、テレビ出演を小泉議員に打診したところ、「けんもほろろに断られた」そうだ。

   田崎氏は、自民党や政界が橋下徹大阪市長(42)の人気に圧倒され、「政治の病を治す『青い鳥』を橋下に求めているかのようだ」と指摘した上で、「青い鳥」は既成政党の中におり、「小泉進次郞はその有力な候補だ」と高い評価を下した。

   自民党青年局の中には、9月の党総裁選に小泉議員が立候補することを期待する声もある。とはいえ、小泉議員の相次ぐ「造反」が、党総裁選を意識した動きだと見るのは、まだ早そうだ。

   小泉議員は田崎氏に対し、「僕には経験に対する飢えがある」「焦ってもしょうがない」「経験を積まないと、説得力がない」と、自身の「経験不足」を強調している。

   31歳の誕生日を迎えた4月14日のブログには、「(政治の世界は)50代で若手と言われる世界です。そうなると31歳の私は…。まだまだですね」と書いた。小泉議員は2009年に初当選した1期生だ。

   父純一郎氏が党総裁・首相になったのは59歳、当選10期目のときだ。53歳と56歳のときの2回の総裁選落選を経ての就任だった。