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石原都知事、朝日記者に「殴るからな」 「都政飽きた?」記事に激怒?

   石原慎太郎・東京都知事が朝日新聞の記者に「みんなの前で殴るからな」と「予告した」と報じられている。朝日新聞の記事に不満があったかららしいが、「被害者」とまでいっているにしては、どの記事のどの部分が知事の怒りに火をつけたのかについては語っていない。

   「それ(殴る)しかない、抵抗の仕方は。(こちらは)新聞出しているわけじゃないんだから」と記者団の前で語ったという。

知事原作の映画撮影に参加

石原都知事のサイト。自身の著書などからの「名言格言」も紹介している。
石原都知事のサイト。自身の著書などからの「名言格言」も紹介している。

   スポーツ報知が2012年4月25日、「朝日新聞記者に『鉄拳制裁』予告」と報じた。スポーツニッポンも短く同様の記事を伝えた。

   報知記事などによると、石原知事が原作や脚本などを手がけ、出演もする映画「青木ケ原」の撮影が静岡県富士宮市であり、4月24日、石原知事も参加した。

   石原知事は、取材中の朝日新聞の男性記者に対し、「『おい、おまえ、朝日か。この野郎は意地悪いんだよ』などと激怒した」。「顔を紅潮させて」話した。

「みんなの前で殴るからな」「イエローカード2枚、3枚になったら、殴るからな」

と「殴る」を連発した。朝日新聞の記事に不満があるようで、

「書かれっぱなしでこっちは、被害者で甘んじるわけはないからね。相手を殴るしかないんだから」

と「激怒」。約2分間怒っていたが、最後は「冷静さを取り戻し」、

「それ(殴る)しかないんだもん、抵抗の仕方は。新聞出してるわけじゃないんだから」

と「苦笑した」。

「もともとわがままだけど、さらにわがままになっている」

   問題の朝日記事は、4月23日付夕刊の「石原知事 都政飽きた? 執筆・映画、登庁週2日」のことのようだ。

   4期目に入り1年を迎えた現状を、署名記事でまとめている。「都政への関心を知事が急速に失っているのではないか」という見方が、都議や都幹部に広がっていると指摘。沖縄県の尖閣諸島購入を知事が突然発表したことにも触れている。

   一方で、石原新党構想や橋下大阪市長との会談を例に挙げ、「特定の分野には精力的」で、作家活動も旺盛だとしている。映画「青木ケ原」の活動も紹介した。

   また、会議や視察を「発熱」などの理由で急きょキャンセルしたことについて、「年齢もあるようだ」と分析。「もともとわがままだけど、さらにわがままになっている」という「知事周辺」の声も伝えた。

   石原知事はかねてから、「批判はいいが侮辱はするな」という考えを示している。もっとも、石原知事が使った「イエローカード」云々の表現からみると、すぐにも「朝日新聞の記者を殴る」わけではなさそうだ。

   橋下市長も、「テレビや新聞で好き勝手いい加減なこと言われても、僕はこのツイッターで反論するしかない」「メディアはものすごく影響力が大きい」(3月上旬のツイッター)と、報道への「対抗措置」に頭を悩ませているようだ。

   石原知事のネット発信は、記者会見を動画と文書で都庁サイト上に公開したり、自身のサイトでは産経新聞で連載中のコラムを一部、転載したりしている。ブログやツイッターは見あたらない。