「LINE」利用者3000万人突破 「手軽で無料」通話アプリが大ウケ

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   スマートフォン(スマホ)を使って無料で通話できるアプリが人気だ。最近ではNHNジャパンのアプリ「LINE」が、登録利用者数で世界3000万人を超え勢いを伸ばしている。

   電話回線ではなくインターネット経由での通話で、ユーザーは契約する携帯電話会社に関係なく、アプリを入れた相手となら無料で話せる。一方携帯電話会社にとっては、「データ通信定額プラン」を提供するがゆえに無料通話アプリが普及し、自社の通話料収入を圧迫するという皮肉な結果を招いている。

電話番号を入力するだけで利用者を探し出してくれる

スマホに欠かせないアプリとなってきたか
スマホに欠かせないアプリとなってきたか

   「LINE」の特徴は手軽さにある。基本的に自分の携帯電話の番号を入力するだけで設定できる。連絡先をスマホの「アドレス帳」に登録しておいた人の中からLINEの利用者をアプリが自動的に探し出し、その結果が画面上に表示される。そこから通話やメッセージを送りたい相手を選べばよい。

   通話の音質は上々だ。記者は知人と10分程度会話をしてみたが、聞きにくかったり雑音が入ったりすることはなかった。時折音声が途絶えて、お互いに「もしもし」と確認し合うこともあったが、たとえ切断されても無料なのでかけ直すのもためらわない。その知人は、通話でLINEを利用することは少ないが、近くに住む友人とメッセージ機能を使って頻繁に連絡を取り合っていると話した。

   この種のサービスで先駆的なのが「スカイプ」だ。登録者数は全世界で5億人超と他を圧倒する。ただしスマホでアカウントを設定するには、IDやパスワードの入力をはじめ多少の手間がかかる。「Viber(バイバー)」の場合はLINEと同じく登録は簡単だが、すべての表示が英語のため慣れていないと戸惑うかもしれない。とは言え、携帯電話会社の垣根を越えて、海外の相手とも無料で話せる通話アプリが次々と誕生しているのは確かだ。

   しかし、普及と同時にトラブルも聞こえ始めた。LINEはパソコン(PC)からも利用できるが、通常PC内の主要なファイルが数多く保存されている「Program Files」というフォルダを指定してLINEをインストールし、その後削除したら、フォルダ内のほかのファイルもすべて消滅してしまったとの報告が出たのだ。NHNジャパンは2012年5月9日付の公式ブログで問題を認め、修正版のソフトを出して対応にあたった。

データ定額プランなくなれば「無料」でなくなる?

   無料通話アプリの利用者拡大は、携帯電話会社にとっては苦々しいに違いない。携帯電話同士でも相手が他社と契約している場合や、固定電話に電話するときは当然料金がかかるが、スカイプやLINEを使えばスマホやPC間で「タダ」で話せる。金額面をとれば、利用者にとってどちらが魅力か明らかだろう。

   通信ネットワークへの負荷が増大する点も、携帯各社にとって頭が痛い。NTTドコモは2012年1月25日、東京都内で最大252万人が影響を受ける通信障害を起こした。その原因としてドコモが挙げたのが、無料通話アプリだった。スマホを操作していない状態でもアプリが3~5分間隔で自動的にサーバーと制御信号をやり取りするが、ちょうど交換したパケット交換機と呼ばれる装置が信号を処理しきれなかったため障害につながった、というのがドコモの説明だ。

   携帯各社としてはスマホの販売拡大に力を入れるが、それとともに無料アプリの利用者も増大する可能性が高まり、結果的にネットワークはますます厳しい状態に追い込まれる。電話がつながらなくなれば、非難されるのは携帯電話会社であり、何とも悩ましい。

   無料アプリが「無料」でいられるのは、国内の携帯各社が提供しているデータ通信定額プランのおかげといえる。仮に今後、米国のように各社がデータ利用分に応じて料金が加算される従量課金プランに移行したとすれば、通話時間に応じて料金は多額になっていくはずだ。現状でも、日本で契約したスマホを海外で使う場合、携帯電話会社が指定した現地の提携業者以外をうっかり使ってしまうと、アプリ経由で通話しても「データ定額制」でなければ別途料金を請求される可能性がある。

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