「正田美智子さんという方は覚えておられますか」 皇太子さまにささやいた東宮侍従
元「お妃選び班記者」が推理する「テニスコートの恋」の「真相」(2)

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   「正田美智子さんという方を覚えておられますか」、そう言って「黒木東宮侍従」が皇太子さまに水を向けた――

   「お妃選び取材班」担当だった元朝日新聞記者の佐伯晋さん(81)に、皇太子さまがたの「『テニスコートの恋』をめぐる虚実」に関する推理を聞く第2部の2回目は、皇太子さまと美智子さまが初めて軽井沢で一緒にテニスをされる前後の動きについて語ってもらう。

「旧華族」が次々リストから消えていった

後に出版された関連本を読み、佐伯さんは「推理」に自信を深めたそうだ。
後に出版された関連本を読み、佐伯さんは「推理」に自信を深めたそうだ。

   前回、ご婚約が決まる1958年の前年、57年の秋ごろから、お妃選考首脳の一部がお妃候補の選考対象を、従来の旧華族から民間にも広げようと考え始めた、というところまで話しました。

   「選考首脳の一部」とは、中心メンバーといってよい5人のうち、宇佐美毅・宮内庁長官と黒木従達・東宮侍従の2人だとぼくはにらんでいます。間違いないでしょう。

   1957年秋当時、少なくとも表面的にはあくまで旧華族のお嬢さんの線で選考を進めていました。うかつに「民間」の話がもれようものなら、守旧派から大反発をくらうことは明白だからです。

   しかし、1955年からお妃選びを本格化させ、旧華族のお嬢さんらが次々とリストから消えていく中、宇佐美長官らは民間にも選考対象を広げる必要を感じたのでしょう。また、皇太子さまご本人も、はっきりとはしないが、「民間」からのお妃がいいのでは、とのお考えをお持ちのようだ、という認識もあったようです。

美智子さんに対する推薦の言葉は、絶賛というに近いもの

   民間にも調査対象を広げたことが分かる一端は、1957年9月から聖心女子大などの女子大数校と複数の名門女子高校に、極秘で推薦依頼を宮内庁首脳が行っていることです。学校側はほどなく回答しており、聖心の場合、推薦の筆頭が正田美智子さんでした。ぼくたち取材班は翌58年の5月には、こうした事実をつかんでいました。

   美智子さんに対する推薦の言葉は、絶賛というに近いものでした。また他校から寄せられたものを含めて推薦候補の中で断トツに評価が高かったのですから、最初にそれを読んだ黒木侍従は強く心を動かされたに違いありません。

   約1か月前の1957年8月に軽井沢で皇太子さまチームと偶然テニスをした正田美智子さんと同一人だと気がついて、運命的なものをも感じたことでしょう。ただちに美智子さんについて、入念な独自調査に取りかかりました。

   この有名な「1957年8月19日の軽井沢テニス」については、皇太子さまがこのテニス場で試合をしたのは初めてで、後で説明しますが、美智子さまとの出会いは偶然でした。お妃選考首脳らのお膳立てがあったわけではありません。

まだ「気にはなっている」くらい

   また、一般にイメージが広がっているように、このときにお2人が恋に落ちた、というわけでもありません。

   なぜぼくがそう考えるのか。

   まず、皇太子さまが美智子さんと2回目に一緒にテニスをするのは、「軽井沢での初テニス」と同じ年の10月27日、東京・調布でのことです。皇太子さまが学友を通じて美智子さんをお誘いするのですが、8月の初テニスから2か月以上も間が空いているのは、恋に落ちたにしては、時間が長く空きすぎだと思います。「気にはなっている」というくらいだったのでしょう。

   さらに、皇太子さまがこの「2回目テニスへのお誘い」をする直前には、黒木侍従が皇太子さまに「8月にテニスをした正田美智子さんという方は覚えておられますか」と、10月の調布テニスへお誘いするよう水を向けたとみられます。

   皇太子さまが8月の軽井沢テニスの後、学友に美智子さんのことを「すごく(テニスが)強い女性だ」と言ったことを黒木侍従は、学友を通じて知っていて、皇太子さまが美智子さんのことを「気にはなっている」のを確認していました。黒木侍従は、皇太子さまの学友とは常に連絡を取っていたのです。


<編集部注:佐伯さんが当時のことを語る際、「民間」時代の美智子さまのことは「美智子さん」と表現しています>


<佐伯晋さんプロフィール>

1931年、東京生まれ。一橋大学経済学部卒。1953年、朝日新聞社入社、社会部員、社会部長などを経て、同社取締役(電波・ニューメディア担当)、専務(編集担当)を歴任した。95年の退任後も同社顧問を務め、99年に顧問を退いた。

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