再生エネ期待は大きいが 普及と国民負担のジレンマに苦しむ

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   電力会社による再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が2012年7月1日に始まった。「脱原発(依存)」への切り札として期待が高まる。一方で、家庭には負担増が長期にわたって続くほか、送電設備の貧弱さをどう乗り越えるかという課題ものしかかる。

   新制度は、太陽光発電など再生可能エネルギーで作られた電気を、電力会社が10~20年間にわたり固定価格で買い取るもの。

価格と期間は毎年見直す

   買い取り価格(1キロワット時当たり)と期間は、太陽光の10キロ ワット以上が42円で20年間、10キロワット未満が同10年間、 風力は20キロワット以上が23.1円で20年間、20キロワット未満が57.75円で20年間、 地熱は1万5000キロ ワット以上が27.3円で15年間、1万5000キロ ワット未満が42円で15年間、 バイオマスは木材が25.2円で20年、家 畜糞尿が40.95円で20年―― など。価格と期間は毎年見直すが、認定を受けた時点の価格と期間は途中で変更されない。

   経済産業省資源エネルギー庁によると、6月末時点で買い取り対象の認定を受けた事業は44件、総発電量4万1605キロ ワット。1万2000キロワットの水力発電1件以外はすべて太陽光。太陽光発電所は12年秋以降に完成予定が目白押しで、年度内に計250万キロワット程度に達する見通しという。制度導入前の再生エネ(大型水力を除く)の発電能力は1945万キロワットだから、1割強増える計算だ。

ドイツやスペインでは買い取り価格を大幅に引き下げ

   電力会社は買い取り費用を電気料金に転嫁する。7月以降の標準家庭の電気料金は月額75~111円(平均87円)上がる。この数字だけを見れば大したことはない感じがするが、福島の事故に伴う費用負担がのしかかる東京電力はもちろん、原発の停止に伴う火力発電の原料費(天然ガス、石油)のコストアップは全電力会社に共通で、東電以外でもいずれ電気料金が値上げされる公算は大きいから、安心してはいられない。

   メーカー、スーパーやコンビニなどの電気料金も上がるから、価格に最終的に転嫁されれば、影響は単に自分の家庭の電気料金にとどまらない。

   しかも、再生可能エネの買い取りは確実に増えていく。現在の再生エネ比率は11%(大規模水力を含む)。政府が12年夏に策定する予定の新しいエネルギー基本計画ではその比率は原発の代替として、2030年に最大35%程度 にまで引き上げられる見通しだ。同制度で先行するドイツやスペインでは国民の負担が過重になり、買い取り価格を大幅に引き下げている。再生エネ普及と国民負担のジレンマに、日本も苦しむことになる。

北海道と東北の風力フル活用だけで3000億円の資金

   もう一つの大問題が送電網だ。現在の送電網は原発や火発など大規模な発電所から大都市に送ることが軸。ところが、太陽光や風力などは点在する遊休地、休耕田などを使う比較的小規模の発電所が多い。北海道や東北に風力発電に適した土地が多く、日照の多い九州は太陽光が力を発揮するとみられる。

   資源エネ庁の研究会の中間報告(4月)は、北海道や東北の風力を生かすよう提言、具体的に例えば北海道と本州を結ぶ送電網を現行の60万キロワットから90万キロワットに増強することなどを盛り込んだ。

   こうした送電網の整備には、5~10年かかるとされ、北海道と東北の風力をフル活用するためだけで3000億円もの資金が必要とされ、全国的に風力以外を含めた必要額はもっと膨らむ。制度開始の日に福島の風力発電所を視察した枝野幸男経産相は、北海道、東北に「風力発電重点整備地区」(仮称)を設けて財政支援する考えを示したが、具体化は来年度予算以降の話。

   より効率的な送電網整備のためには発電と送電の分離も必要とされ、再生可能エネの普及には息長い国民的な取り組みが不可欠だ。

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