仙台市のパンダ誘致ストップ状態 尖閣余波で「再検討」の声

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   宮城県仙台市が進めている中国からのジャイアントパンダの誘致計画がストップしている。

   日本政府による尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化をめぐって中国で反日デモが起こるなど日中間の緊張が高まっていることが影響し、仙台市は事態を静観せざるを得なくなっている。

日中双方が「静観している」

   「中国からのジャイアントパンダ誘致計画は再検討したほうがよいのではないか」――。2012年9月18日に開かれた仙台市議会で、そんな意見が相次いだ。

   これに対して、奥山恵美子市長は「外交問題とは関連づけない」と回答、パンダ誘致に向けた交渉を継続していく意向を示した。

   ちょうど1年前の9月。奥山市長は「パンダの魅力を、震災復興に貸してほしい」と、中国大使館にパンダのつがいを無償貸与してほしいと要望。中国大使館も、「検討する」と返答した。

   パンダ誘致について、仙台市は2011年10月に中国との交渉についたことを発表。12月、中国で行なわれた日中首脳会談で野田佳彦首相と温家宝首相が、仙台市太白区の八木山動物公園に2頭のパンダを貸与することで正式合意した。

   12年3月には市幹部らが北京を訪ね、中国側の関係省庁にあいさつに回り、その後具体的な事務協議に入ることになっていた。

   ところが、中国との具体的な交渉はこれまで一度もない。仙台市は「(9月27日に北京で予定されている)日中国交正常化40周年記念式典を契機に交渉に入ることを希望していた」(建設局)が、今回の尖閣諸島をめぐる反日デモの影響で、その望みも絶たれた形だ。

   それどころか、議会からは「再検討」の声まであがったことで、奥山市長は「国には領土、外交問題は国益を考え、毅然とした態度で解決してほしい」としながらも、「(中国との)交流をすべて断ってしまうことはない」との考えを示した。

   市建設局は、「中国側から交渉見送りの連絡はありませんし、日中双方とも事態を静観しているといったところでしょう」と話しており、まだ期待をもっている。

「被災者に希望を与えることができる」

   仙台市のパンダ誘致について、中国の温家宝首相は2011年12月の日中首脳会議で、「積極的に検討していきたい」と前向きに応じた。

   一方、タレントの近藤真彦さんや黒柳徹子さんの働きかけで、ジャニーズ事務所が東日本復興支援のために設立した一般財団法人「マーチングJ財団」が、パンダの貸与費用や獣舎の建設費、中国からの輸送費に5年間のえさ代など、総額数十億円を援助することを発表し、あとは貸与に関する協議を進めるだけになっている。

   仙台市の奥山市長は議会で、「復興への長い道のりを歩む仙台市でパンダが繁殖に成功すれば、被災者に希望を与えることができる」と、改めてパンダ誘致の意義を訴え、理解を求めた。しかし、議員からは2004年に要望書を提出したまま放ったらかしにされている中国総領事館の設置の件をほじくり返されるなど、冷ややかな見方も出ている。

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