石川-福島-岩手をむすぶ広域支援コラボが初めて実現【岩手・花巻発】

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早池峰登山に歓声を上げる子どもたち=7日、花巻市大迫町の小田越え口から登った1合目付近で
早池峰登山に歓声を上げる子どもたち
=7日、花巻市大迫町の小田越え口から登った1合目付近で

(ゆいっこ花巻;増子義久)

   「震災の記憶の風化が進む中、もう一度、被災地同士の絆(きずな)を強めよう」―石川県白山市のNPO法人「ワンネススクール」(森要作代表)と「いわてゆいっこ花巻」(望月達也代表)が連携した支援活動が6日から2泊3日の日程で「とうわボランティアの家」を拠点に行われた。放射能禍に苦しむ福島県内の子どもたちと釜石市内の仮設団地で不自由な生活を強いられている子どもたち、それに花巻市内に避難している被災者ら総勢60人以上が一堂に会して交流を深めた。


   不登校児などが学ぶフリースクールを運営する「ワンネススクール」では震災後、福島県内の子どもたちの支援活動に力を入れ、これまでに7回の保養プロジェクトを実施。今年7月には釜石市内の被災児童を盛岡でのサマーキャンプに招待した。「ワンネス」(Oneness)とは「ひとつに繋がる」という意味。この趣旨に共感した「いわてゆいっこ花巻」が今回のプロジェクトに全面協力。石川―福島―岩手(釜石・花巻)をむすぶ広域的な支援コラボレーションが初めて実現した。


   参加したのは「ワンネススクール」の在校生と支援者20人、福島県郡山市の子どもたち5人、釜石市上中島仮設団地の被災児童15人、花巻へ避難している被災者10人、それにスタッフら10数人。連日好天に恵まれ、早池峰登山や運動会、盆踊り大会、キャンプファイアー、花巻市内観光などを通じて、絆を確かめ合った。


   郡山市内に住む佐々木美香さん(36)は中学2年生の颯也(そうや)君(14)と小学1年生の楓冬(ふうと)君(8)と一緒に参加した。「除染が済んでいない自宅の庭では今も遊ばせることはできない。下の子は外出禁止だった1年間の幼稚園生活でストレスをためてしまった。だから今でも外で遊ばせる時は線量の低い市外に出ることが多い」と美香さん。それだけに2人にとって登山は一番の楽しみだった。


   7日午前9時過ぎ―。絶好の登山日和に恵まれ、子どもたちは早池峰山の一合目を目指した。低学年も多かったため、頂上への挑戦は断念したが、それでも1時間弱の行程。クマ除けのガンガラを叩きながら樹林帯を進むと、目の前に色鮮やかな紅葉のじゅうたんが広がった。「空がきれいででっかいぞ」。佐々木兄弟はこう言って、深呼吸を繰り返した。釜石市立鵜住居小学校4年の岩井あゆさん(9)は小さい時から両足が不自由。途中の岩場はジョセフ君(18)におんぶしてもらったが、最後は自分の足で目標に到達した。


   「辛かったけれど、景色があんまりきれいなので疲れが吹っ飛んでしまった」とあゆさん。「ワンネススクール」の支援者、クノキ・範子さん(53)には夫のカナダ人宣教師の間に14人の子どもがいる。ジョセフ君はその10番目。一番下のエリンちゃん(9)を含め今回は5人が参加。「僕は身長が187センチ。あゆちゃんをおんぶすることなんかへっちゃらさ」とジョセフ君が言うと、「私はあゆちゃんと同じ年なんだ」とエリンちゃん。


   「国境を越えたつながりなんて、素晴らしいねえ」―子どもたちの無邪気な交流の姿を見ていた三浦ユワさん(75)がこう言って顔をほころばせた。大槌町で被災し、今は花巻市内の民間アパートに一人住まい。この日は他に9人の被災者が駆けつけ、杵うすを使った餅つきを指南したり、あんころ餅の作り方を指導した。夜のとばりが下りる頃に盆踊り大会も開かれ、今度は「とうわボランティアの家」の近所のお年寄りたちが炭坑節の踊りを手ほどきする場面も…。「支援コラボ」が予期しない方向にどんどん広がって行った。


   「ワンネスって、『雨ニモマケズ』とおんなじことなんですね。小学6年の時に暗記したこの詩はまだ覚えています」―。「ワンネススクール」に通っている吉田達柾君(19)が目を輝かせた。「東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ…。この詩って、寄り添うっていうことでしょう。だから、ワンネスの精神と同じだと思うんです」。最終日の市内観光で立ち寄った賢治詩碑の前で吉田君は遠くを見る目でこの詩をそらんじた。……「全国規模の支援のネットワ-ク化」が今こそ求められているのかも知れない。

クマ除けのガンガラを叩きながら、恐る恐る前進=早池峰山の小田越え口近くで
クマ除けのガンガラを叩きながら、恐る恐る前進
=早池峰山の小田越え口近くで
昔懐かしい杵を使った餅つき。指南役は花巻避難者の中島ケイさん。臼は釜石市内の瓦礫の中から見つかったものを生き返らせた=花巻市東和町のとうわボランティアの家で
昔懐かしい杵を使った餅つき。指南役は花巻避難者の中島ケイさん。
臼は釜石市内の瓦礫の中から見つかったものを生き返らせた
=花巻市東和町のとうわボランティアの家で
花巻避難者の皆さんが子どもたちにあんころ餅の作り方を指導した=とうわボランティアの家で
花巻避難者の皆さんが子どもたちにあんころ餅の作り方を指導した
=とうわボランティアの家で
花巻避難者のお年寄りもパン食い競争に挑戦。「子どものころを思い出すなぁ」と懸命に食いついていた=花巻市東和町の旧成島小学校の校庭で
花巻避難者のお年寄りもパン食い競争に挑戦。
「子どものころを思い出すなぁ」と懸命に食いついていた
=花巻市東和町の旧成島小学校の校庭で
「これは放射能の心配はないよ」。地元の人が近くの猿ヶ石川でとれた鮎を差し入れてくれた。辺りには香ばしい匂いが漂った=とうわボランティアの家で
「これは放射能の心配はないよ」。
地元の人が近くの猿ヶ石川でとれた鮎を差し入れてくれた。
辺りには香ばしい匂いが漂った=とうわボランティアの家で
「ワンネス精神」に通じる賢治詩碑前で記念撮影。「寄り添う」ことの大切さを再認識した=花巻市桜町4丁目で
「ワンネス精神」に通じる賢治詩碑前で記念撮影。
「寄り添う」ことの大切さを再認識した=花巻市桜町4丁目で


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ゆいっこネットワークは民間有志による復興支援団体です。被災地の方を受け入れる内陸部の後方支援グループとして、救援物資提供やボランティア団体のコーディネート、内陸避難者の方のフォロー、被災地でのボランティア活動、復興会議の支援など、行政を補完する役割を担っております。
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