3・11後を支えてくれた「戦友」逝く【福島・いわき発】

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   わが家の炊飯器が壊れた(=写真)。内蓋が外蓋からパカッとはがれた。国内メーカーの製品だが、2002年にマレーシアでつくられたものだとカミサンがいう。ご飯をどうする?となったが、どこからか新しい炊飯器が出てきた。別の国内メーカーの製品だ。


   日々、なにごともなく過ぎていくかぎりでは、家電は家電でしかない。電気ごたつは中を温める。電灯は部屋を明るくする。炊飯器はご飯を炊く。3・11を経験する前まではそうだった。「でしかないもの」が3・11後、「大事なもの」「必要なもの」になった。


   3・11で断水した。電気はかろうじて通じていた。津波に襲われたハマ(沿岸部)に比べたら、少し内陸に入ったマチ(平野部)は、それこそハマの人には申し訳ないが、地震の被害だけで済んだ。が、そのあとに原発事故のパニックがきた。モノがさっぱり手に入らなくなった。


   カミサンが近くのコンビニへ出かけた。食料品や飲料水は品切れ。氷袋が残っていたので、それを買ってきて解凍し、水にした。


   とにかく洗い物を少なくする。茶碗にラップをしてご飯を盛る。おかずも同じ、ラップをした上に盛る。ラップのおかげで茶碗も、皿も洗う必要はない。苦肉の策がクチコミで一気に広まった。


   そのころを支えてくれた炊飯器だ。ただの家電ではない。戦友とはいわないまでも、よく機能してくれたな、とは思う。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
■ブログ http://iwakiland.blogspot.com/

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