停電継続、スーパーやガソリンスタンドも閉鎖のまま 米国超大型ハリケーン被害はまだ続いている

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   キリスト教の教会でこの原稿を書いている。信者でもない私が教会に足を踏み入れたのは、教会の入り口に「フリーWiFi」と書かれた看板が立っていたからだ。

   薄暗い礼拝堂の奥に集会場があり、そこには'大きな円形のテーブルが10卓ほど置かれ、20人あまりの人たちがノートブックPCを開いていた。集会場の正面に舞台があり、その壁にコンセントがあったので、私はさっそくアイフォーンの充電を始め、マックブック・エアーを開き原稿を書き始めた。

8割の住民が停電で電気のない生活

   私が住むニュージャージー州モントクレア市は、ニューヨーク市から西に25kmの位置にある典型的なサバーブ(郊外都市)である。米国でも有数の緑の多い町として知られ、齢100年を超すような樫の大木が道路沿いに、あるいは民家の裏庭に所狭しとそびえ立っている。この豊かな自然環境が大雨や強風に遭うと、たちまち災害の温床になる。大木が倒れ、電線が切断され、停電が頻繁に発生するからだ。

   2012年10月29日に米国東部を襲った超大型ハリケーン「サンディ」(米国ではハリケーンに女性名を付けることが習慣になっている)は、予想されていたことではあるが、この町を叩きのめした。町の道路は倒木で何十カ所も寸断され、8割の住民が停電で電気のない生活を強いられている。

   ニューヨークへの通勤バスや通勤列車は全面運休。もちろん公立学校は休校になっているが、子供たちの姿は見えない。家のなかで電気の復旧をじっと待っているのだろうか。

あちこちで変電器が爆発

   今回のハリケーンは最大風速が毎秒40メーター以上にもなる暴風を伴い、月曜日夜のピーク時にはまさに天が金切り声で叫び、20メーターを超すような大木が柳のようにしなり、左右に大きく揺れるたびに「ギーギー」と悲鳴を上げていた。この光景を台所の窓から見ていた私は、「ひょっとすると今夜、老木が倒れ、わが家も押しつぶされるかも」という恐怖に襲われた。こんな光景が一晩中繰り広げられた。

   夜中に妻と外に出てみると、わが家の前の道路が倒木で通行不能になっていた。数軒先の歩道にあった比較的大きな木が根っこからひっくり返り、道路を横切るように倒れていた。空を見上げると、地平線の彼方がボーッと白く浮かび、暫くするとピンクそしてブルーに変幻した。隣人によれば、あちこちで変電器が爆発したからだという。

   翌朝目が覚めると、風はかなり止んでいた。裏庭には樫の木の小枝(といっても20キロくらいの重さ)が落ちていたが、自宅に被害はなかった。妻とふたりで自転車に乗り、町を一回りしてみる。想像していた以上の被害だ。いたるところで巨木が根こそぎ倒れ、電柱が真二つに折れ電線が地上を張っていた。大木の直撃をうけた民家もある。幹線道路は数カ所で通行止めになり、迂回の連続で普段10分のドライブが30分にもなる。

ドライバーが押し寄せ、給油に2時間も3時間も待つ

   また、停電はボディブローのように住民の生活を圧迫している。冷蔵庫の食料は底をつき始め、買い出しに出かけるといってもスーパーの大半は閉まったままなので、食料の確保が問題になっている。そのうえガソリンスタンドの多くも閉店なので、一握りの営業中のスタンドにはドライバーが押し寄せ、給油に2時間も3時間も待つという状況が発生している。

   米国の大統領選は11月の第一火曜日が選挙日と決まっているので、その前月にあたるオクトーバー(10月)は選挙のラストスパートになる。この時期に選挙の結果を左右するような不意のイベントが起こりやすいことから、「オクトーバー・サプライズ」と呼ばれる。今年の選挙ではどうやらサンディがオクトーバー・サプライズになりそうだ。

   選挙まで数日を残すのみなった現在、オバマ大統領とロムニー候補はほぼ互角だといわれている。各種の世論調査では大接戦が予想されているだけに、オクトーバー・サプライズは無視出来ないファクターである。

停電の復旧はオバマ大統領のプラス

   オバマ大統領は、この非常事態に直面して実務に専念している。被害の大きかったニュージャージー州を訪れ、クリスティー知事と被災地を視察。冷静で真摯な対応姿勢は好感を持って受け止められている。ニューヨーク・タイムズがハリケーン直撃の翌日に社説で論じていたように、サンディは「政府」の必要性を改めて認識させる機会になったのかもしれない。とすれば、オバマ大統領にとっては追い風になる。大統領の一挙一動に注目が集まっているだけに、遊説より遥かに効果的な選挙運動になるわけだ。

   もちろん停電の復旧はオバマ大統領のプラスになる。11月6日の選挙で民意が下されるだろう。

(在米ジャーナリスト 石川 幸憲)

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