野田首相、TPPを争点に 「国益」か「パフォーマンス」か

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   衆院解散後の慌ただしい日程を縫って、野田佳彦首相は2012年11月18日からプノンペンに乗り込み、東南アジア諸国連合と日中韓(ASEAN+3)による首脳会議など一連の国際会議をこなした。20日のオバマ米大統領との会談では、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉参加に向けた米国との事前協議を加速させる考えを伝えた。

   ASEAN+3にインドなどを加えた16カ国首脳会議では東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉開始も決定。さらに、日本、中国、韓国の3カ国は経済貿易担当相が集まり、日中韓自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉に入ることでも合意した。

民主党内の異論を「踏み絵」で抑え込む

   通商交渉の停滞が叫ばれて久しい中、「平時」であれば一連の交渉は評価されていいところかもしれない。しかしながら、陥落必至とみられる民主党政権の総選挙向けパフォーマンスの臭いがするだけに、しらけムードも漂う。ただ、TPPやFTAが「一部農産品の自由化など個々のテーマへの対応は別にして、貿易で生きる上で基本的に避けて通れない大課題」(通商筋)であるのは間違いない。

   各党は総選挙で自分に有利な争点作りに必死だが、野田首相と民主党の執行部はTPPをその一つと位置付けており、野田首相のプノンペン訪問は「オバマ大統領に『協議加速』を伝えるのが最大の目的」(民主党議員)だった。もちろん、すっきりと「交渉参加」を言うには、党内に異論が根強く今回の首相の言い回しは現時点で仕えるギリギリの線。首相は会談後、「私の決意は変わっていないと申し上げた。基本的にご理解いただいたと思う」と、手応えありの表情で語った。

   首相と党執行部は、首相が所信表明演説などで表明したTPPを進める方針から党公認候補が「大きく逸脱する」のを許さない「踏み絵路線」を打ち出し、TPP慎重派の鳩山由紀夫元首相を引退に追い込むなど、足元を必死に固め、TPP反対派を党内に多く抱え、「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り交渉参加に反対」と、慎重な姿勢を崩さない自民党に攻勢をかける構えだ。

   TPPをめぐっては、日本維新の会と太陽の党の合流でも、TPP推進の維新と慎重な太陽でもめたが、太陽が「国益に沿わなければ反対」との条件付きで交渉参加を受け入れ、何とか一緒になった経緯がある。石原慎太郎代表を筆頭に旧太陽側には超保守の議員もいて、仮に選挙後に実際にTPPが動き始めれば党内論争勃発は必至とみる向きが多い。

   共産党、社民党はもちろん、国民の生活は第一など民主党から分かれたもう一つの第三極は、消費増税反対などと並んで反TPPをそれぞれ掲げており、総選挙での争点の一つになる。

中国など途上国の市場開放ねらう

   政策論議が深まるか。選挙では農業票を意識して「反TPP」の勇ましい声が大きくなりがちだが、世界貿易機関(WHO)の包括的な貿易交渉が停滞する中で、世界的にFTA締結競争が近年の常識。韓国が米、欧州連合(EU)などとFTAを精力的に結び、日本勢が関税などで相対的に不利な条件で競争させられているとあって、自民党を含めて「FTA推進」は多くの党に共通する。

   そこで問題のTPPだが、「聖域なき関税撤廃」を原則にするという「高いレベルのFTA」であるのとが特徴。ある有力経済官庁次官OBは「中国がこれまでに各国と結んだFTAは例外が多い。他の途上国を含め、自由化を促す梃子になりうるのがTPPであり、それが中国や途上国の市場を開かせることで生きていく日本の国益だ」と指摘する。実際、日本がTPP参加に向けて動き始めたからこそ、中国は日中韓FTA交渉に乗ってきたのは紛れもない事実だ。

   自民党の選挙公約発表の場で、安部晋三総裁はTPPについて「国益が守られれば参加していくのは当然」と言及し、自民党内でも「TPP推進のオバマ政権が継続するのに、自民党が政権復帰してTPPに後ろ向きでいられない」との声も聞こえる。「TPPは対中国外交の中でも有効な材料になりうる」(通商筋)という戦略的な思考も含め、どこまで政策論争が深められるか、すべての政党が問われている。

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