クロマグロの漁獲枠、10年ぶりに少し拡大 市場価格への影響は限定的

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   世界的に資源の減少が懸念されるカツオ・マグロ類の資源管理を行う国際機関(地域漁業管理機関)は大西洋、太平洋、インド洋など海域や魚種ごとに五つある。このうち、「大西洋マグロ類保存国際委員会」(ICCAT)の年次総会がこのほどモロッコで開かれ、2012年11月19日、2013年のクロマグロ(本マグロ)の漁獲枠を2003年以来、10年ぶりに拡大することを決めた。

   マグロの中でも最高級の刺身となるクロマグロは2007年から東大西洋で漁獲枠を削減した努力が実って資源回復が確認されたため、世界全体で500トンとわずかだが、漁獲枠を増やすことになった。

クロマグロはマグロの中でも希少品

   2013年の東大西洋の漁獲枠は2012年より500トン上乗せされ1万3400トンとなるが、3万トン前後あった2000~2008年当時には及ばない。大西洋のクロマグロの漁場は、東大西洋と西大西洋に分かれるが、ICCATの科学委員会は東大西洋について「資源が回復傾向にあり、2010年の漁獲枠(1万3500トン)まで捕獲しても資源回復を阻害しない」との報告書をまとめた。この報告を受け、ICCAT加盟国の日本、米国、カナダ、ブラジル、中国など48カ国・地域と欧州連合(EU)は、2007年以降に取り組んだ漁獲枠削減の効果が確認できたとして、漁獲枠を2010年レベルに戻すことで一致した。西大西洋については資源が「現状維持」とされ、漁獲枠も据え置かれた。

   世界のカツオとマグロの漁獲量は1980年の188万トンから2010年は433万トンと、30年で2.3倍に増えた。カツオが約半分を占め、マグロの中ではキハダ、メバチ、ビンナガなどが多い。トロが取れ、高値で取引されるクロマグロは、全体の中ではごくわずかだ。

   日本のマグロ類の消費量は魚離れのためか、ピークだった2002年の51万トンから2011年には29万トンに減っているが、世界的には中国など途上国の所得向上とともに消費が増え、需要が高まっている。五つの国際機関のうち、最も歴史が長いのは1950年に誕生した「全米熱帯マグロ類委員会」(IATTC)で、今回、漁獲枠の拡大を決めたICCATは1969年に発足し、1990年代から漁獲枠の設定を行っている。

マルタやクロアチアから輸入

   マグロの資源量は絶滅するほど危機的な状況ではないが、漁獲枠を設けるなど適正な資源管理が必要となっている。日本にとって最も大切な漁場となる太平洋のクロマグロは1970年ごろから減少に転じたが、1980年代には底を打って回復に向かった。2000年代以降は横ばいか、減少傾向にあるとされる。大西洋のクロマグロは1950年代から1970年代の中盤にかけて資源が増え、その後は下落に転じたが、1990年代から資源回復の兆候があると指摘されている。

   2010年には野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約の締約国会議で、大西洋産クロマグロの国際取引を禁止する提案が出され、議論を呼んだ。この時は日本が、「ICCATが的確に資源管理すべきだ」と反対し、中東やアフリカの漁業国の支持を得て否決した経緯がある。

   2010年の世界のカツオ・マグロ類の漁獲量433万トンのうち、日本の漁獲量は49万トンと1割に過ぎないが、台湾、インドネシア、韓国などから25万トンを輸入している。日本の消費量は74万トンとなり、世界最大の輸入国であり、消費国だ。クロマグロは2.4万トン消費しているが、マルタ、クロアチアなどからの輸入が6割を占める。

   それだけに日本にとって資源確保は死活問題で、水産庁はクロマグロの稚魚を捕獲して養殖する国内の生簀の規模をこれ以上拡大しないよう求めるなど、率先して資源管理に力を入れている。

   大西洋クロマグロの漁獲枠が2003年以来10年ぶりに拡大するのは、世界最大のマグロ・カツオ類の消費国である日本にとって朗報だが、今回の漁獲枠の拡大は日本の年間消費量からみると微増にとどまり、高級品であるクロマグロの価格に与える影響は限定的とみられている。

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