2024年 4月 20日 (土)

日立と三菱重工が電力システム事業を統合 これは「両社合併への序曲」なのか

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   三菱重工業と日立製作所が、火力発電関連を中心とした電力システム事業を統合する。両社長が2012年11月29日東京都内で記者会見し発表した。2014年1月1日をめどに事業の受け皿となる両社共同出資の新会社を発足させる。火力発電は中国など新興国で需要が見込まれ、世界的な受注合戦を勝ち抜くため両社の強みを生かす統合で競争力を高める狙いだ。

   両社は11年夏までに経営統合を検討した形跡がある。電力システムは両社の中核事業だけに、今回の事業統合が「合併への序曲」と見る向きもある。

統合でシーメンスと米GE追う

「国内で消耗戦をするより、一緒に海外で戦うことを選んだ。世界競争が激化するなか、日本企業同士で手を組んで海外勢と競合する方が互いに良い効果が見込める」

   都内のホテルで開いた記者会見で三菱重工の大宮英明社長は、今回の事業統合の狙いをこう強調した。火力発電システム事業をめぐっては、独シーメンスと米ゼネラル・エレクトリック(GE)の2強が世界市場にたちはだかる。大宮社長は「(三菱重工・日立連合で)何とか早く『3強』になりたい」とも語った。

   日立の中西宏明社長も会見で「三菱重工は競合すると怖い相手だが、パートナーとしては心強い。コア事業の火力発電システムを(事業統合で)さらに強くし、世界のメジャープレーヤーになりたい」と述べた。中西社長は「中国やインドなどからも競合メーカーが台頭している」と語り、新興メーカーの追い上げを受けていることが後押ししたことも指摘した。

   両社の事業統合には「補完効果」(大宮社長)もある。三菱重工が火力発電分野で大型のガスタービン発電装置を得意とするのに対し、日立は中小型のガス-タービンが主力。世界的な取り組みでも、三菱重工が東南アジアや中東に強みを持つのに対し、日立は欧州やアフリカでの販売に秀でている。このため事業統合はラインアップの充実などにつながり、相乗効果を上げられる可能性は高いと見られている。

現在でも全面的な経営統合を模索しているという見方も

   統合新会社は地熱発電システム事業や燃料電池事業も加わり、売上高は1兆1000億円規模(三菱重工が約6000億円、日立は約5000億円)の見込み。出資比率は三菱重工が65%で日立が35%。事業規模が大きい三菱重工がマジョリティーをとる。

   今回の事業統合は、12年夏ごろに両社関係者による会合で「やれるのではないか」との話が浮上し、秋以降に一気に具体化していったとされる。

   11年8月、日経新聞が両社の「経営統合」を大々的に報じ、結果的に誤報となったが、水面下では調整が進んでいたのも事実だ。三菱グループ内の抵抗などでいったん頓挫したが、底流では現在でも全面的な経営統合を模索しているという見方もある。何しろ、統合を決めた電力システム事業は両社の事業の中でも核心部分だ。

   今回の発表会見では、両首脳は会社丸ごと一緒になる経営統合は否定したが、部分的な協業は可能なら他にも進める考えも示した。部分的統合を重ねていけば全面的経営統合もあり得るようにも聞こえ、業界内では「両社長が任にあるうちに合併までいく腹積もりではないか」とささやかれている。

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